GeFoce GTX 1650 SUPERのざっくり評価です。かなり遅れて出てきたミッドレンジ下位あたりのGPUですが、思ったより性能が高くコスパが良かったので記事に残しておきます。
簡易比較表
「GeForce GTX 1650 SUPER」と、2019年12月現在の主要なミッドレンジGPUとの簡易比較表を見ていきます。
GPU名称 | 3DMark | メモリー容量 | TDP | ワット パフォーマンス | コスパ | 価格 |
---|---|---|---|---|---|---|
RTX 2060 | 19700 | 6GB | 160W | 123.1 | 0.518 | 38000円 |
GTX 1660 Ti | 16000 | 6GB | 120W | 133.3 | 0.471 | 34000円 |
GTX 1660 SUPER | 15500 | 6GB | 125W | 124 | 0.554 | 28000円 |
RX 5500 XT 8GB | 14300 | 8GB | 130W | 110 | 0.511 | 28000円 |
RX 580 | 14150 | 8GB | 185W | 76.5 | 0.71 | 20000円 |
RX 5500 XT 4GB | 14100 | 4GB | 130W | 108.5 | 0.564 | 25000円 |
GTX 1660 | 13700 | 6GB | 120W | 114.2 | 0.489 | 28000円 |
GTX 1060(6GB) | 12900 | 6GB | 120W | 107.5 | 0.461 | 26000円 |
RX 570 8GB | 12400 | 8GB | 150W | 82.7 | 0.689 | 18000円 |
GTX 1650 SUPER | 12100 | 4GB | 100W | 121 | 0.576 | 21000円 |
GTX 1650 | 9000 | 4GB | 75W | 120 | 0.529 | 17000円 |
GTX 1050 Ti | 7700 | 4GB | 75W | 102.7 | 0.55 | 14000円 |
※3DMarkはFirestrike(1080p)のGaraphics scoreを参考にした値。
性能が1080pや中設定なら最新ゲームでも十分なレベル
2万円前後という低価格にしては高い処理性能を発揮しています。GTX 1060に近い性能です。今までは2万円以下のGPUでは、設定を多少下げようが最新ゲームでは性能不足が避けられない印象がありましたが、1650 SUPERなら大丈夫そうです。
コスパ・ワットパフォーマンス良し
コスパ・ワットパフォーマンスが共に良好です。2万円前後クラスの低価格帯のGPUでは、コストカットの煽りを受けてか、コスパかワットパフォーマンスどちらかが犠牲になっているケースが多い印象ですが、どちらも良いです。
SUPERでないGTX 1650も似たような傾向を持ち、この記事執筆時点(2019年12月25日)で価格.comのグラボランキング1位となっていますが、GTX 1650 SUPERの方が、コスパ・ワットパフォーマンス共にGTX 1650よりも僅かながら良いです。性能差を考えると実質コスパはGTX 1650 SUPERの方が高いと見て良いと思います。
ゲーミング性能
ゲーミング性能は、言葉の通りゲームをする際のパフォーマンスの性能です。主に実際にゲームを動作させた際のFPS数で比較されます。今回は11種類のゲームでのデータを基に見ていきます。使用されたCPUは「Core i7-8700K」となっています。詳しくは記事上部の参考リンクを参照です。
中設定(1080p)
GTX 1650 SUPERはミッドレンジ(下位)GPUなので、こちらの中設定での運用がメインになるかと思います。
GPU名称 | 平均FPS | 1Fあたり | 参考価格 |
---|---|---|---|
RTX 2060 | 132.7 | ¥286 | ¥38,000 |
GTX 1660 Ti | 116.7 | ¥274 | ¥32,000 |
GTX 1070 | 113.7 | – | – |
GTX 1660 SUPER | 113.4 | ¥246 | ¥28,000 |
GTX 1660 | 99.4 | ¥241 | ¥24,000 |
GTX 1650 SUPER | 95.4 | ¥220 | ¥21,000 |
RX 5500 XT 8GB | 95.2 | ¥294 | ¥28,000 |
RX 5500 XT 4GB | 94.8 | ¥263 | ¥25,000 |
GTX 1060(6GB) | 85.7 | ¥303 | ¥26,000 |
RX 580 8GB | 80.0 | ¥250 | ¥20,000 |
GTX 1650 | 72.7 | ¥233 | ¥17,000 |
RX 570 4GB | 72.3 | ¥221 | ¥16,000 |
GTX 1050 Ti | 52.9 | ¥264 | ¥14,000 |
コスパが物凄く良い
2万円台後半のGPUが並ぶところに約2万円の安さで割り込んでおり、価格の安さを思わせないパフォーマンスです。3DMarkでは同程度の性能のGTX 1060には、平均FPSで10近い差をつけています。
1Fあたりの価格を見ても、RX 570と並んでコスパが非常に良いのがわかります。
高設定(1080p)
次は1080pの高設定です。解像度は上述の中設定と同じですが、それ以外の設定を全てウルトラ(可能な限り高い設定)にして測定しています。
GPU名称 | 平均FPS | 1Fあたり | 参考価格 |
---|---|---|---|
RTX 2060 | 91.4 | ¥415 | ¥38,000 |
GTX 1660 Ti | 78.9 | ¥405 | ¥32,000 |
GTX 1070 | 78.4 | – | – |
GTX 1660 SUPER | 76.3 | ¥366 | ¥28,000 |
GTX 1660 | 67.2 | ¥357 | ¥24,000 |
RX 5500 XT 8GB | 63.9 | ¥438 | ¥28,000 |
GTX 1650 SUPER | 61.2 | ¥343 | ¥21,000 |
RX 5500 XT 4GB | 59.7 | ¥418 | ¥25,000 |
GTX 1060(6GB) | 58.0 | ¥448 | ¥26,000 |
RX 580 8GB | 54.0 | ¥370 | ¥20,000 |
GTX 1650 | 47.7 | ¥356 | ¥17,000 |
RX 570 4GB | 47.5 | ¥336 | ¥16,000 |
GTX 1050 Ti | 34.6 | ¥404 | ¥14,000 |
60FPSもなんとか出せる
1080pなら高設定でも平均60FPSがなんとか出るようです。決して高いパフォーマンスではないですが、2万円前後のGPUとしては高い性能です。動きの少ないグラフィック重視のゲームであれば、高設定での運用も悪くないかもしれません。
コスパも変わらず良い
中設定のとき同様、1フレームあたりの価格はRX 570と並んで安く、コスパが非常に良いです。メモリー容量が4GBと少なめなので、高設定でのパフォーマンスへの影響を懸念していましたが、思ったほど影響は無さそうな結果となっています。
RTXシリーズには大きな差を付けられる
価格差があるので仕方ないですが、RTXシリーズに対しては、非常に大きな差を付けられてしまっています。素の性能差に加えて、DLSSの有無も相まっての影響でしょうか。61FPSと91FPSは体感でも大きく変わる差なので、高設定や高解像度で快適にプレイしたいなら、従来と変わらずRTXシリーズにした方が良さそうです。
総合評価
低価格GPUでは最適解?
現在低価格GPUで人気の「GTX 1650」に、コスパ・ワットパフォーマンスで少しずつ上回っているので、低価格帯なら最適解レベルの製品だと思います。価格に関しては1650よりはやや高くなってしまいますが、差は4000円~5000円程度と大きくはないですし、性能差が大きいので実用性ではかなり上回ると思います。お得感でいえば断然「GTX 1650 SUPER」だと思います。
まとめ(良い点・悪い点)
最後に「GeForce GTX 1650 SUPER」の良い点・悪い点等の要点をざっくりまとめています。
良い点
- 安い(2万円前後)
- 1080pなら十分な性能
- コスパ・ワットパフォーマンスが良い
- 低TDP(100W)
悪い点
- メモリー容量が少ない(4GB)
- 高解像度・高設定での快適なプレイは厳しい
現状は評価に大きな影響は無いと思われますが、RTXシリーズには搭載されている機能が「GTX 1650 SUPER」を含むGTX シリーズでは未対応です。一応備考として触れておきます。
- DLSS簡単にいうと、収集したサンプルを利用して得た学習データを利用する事によって、FPSを向上させる機能です。ただし、GPUが高負荷でかつ低FPS時にしか動作しない上、基本的に1440p以上の高解像度でしか利用できません。また、現在では搭載されているGPUが軒並みかなり高性能なので、画期的で素晴らしいけど、実は恩恵を受ける機会はあまり無い機能となっています。(2020.3.24追記:バージョンアップによって低解像度にも対応できるようになっていく方向性が示されました。対応ゲームは未だに少ないですが、低スペックでも実用的な機能になっていくようです)
- レイトレーシング「光の反射・屈折の全てをリアルタイムで計算し描写」し、現実とほとんど区別がつかない映像を提供するという次世代の機能です。映像自体は本当にキレイで感動すら覚えるほどですが、要求スペックがあまりに高すぎるので、現状ではほぼ空気の技術です。具体的なパフォーマンスでいうと、オンにするとFPSが3~5割ほど低下するようです(2020年1月時点)。
記事はここまでです。ご覧いただきありがとうございました。