Intelの「Core i」シリーズCPUの違いをまとめて解説しています(デスクトップ用)。最新世代を対象としています。現在(2022年1月)の最新世代は第12世代です。
ざっくり比較
まずは、Core iシリーズの各種についてざっくりとした比較を載せています。参考までにご覧ください。
処理性能
第12世代Core iシリーズの処理性能ざっくり比較です。「シングルスレッド性能」「マルチスレッド性能」「ゲーミング性能」の3点で評価しています。評価は相対比較となっており、あくまで目安なので、参考までにご覧ください。また、各性能の意味については表の下で軽く説明していますので、そちらをご覧ください。
モデル名 | シングル | マルチ | ゲーミング |
---|---|---|---|
Core i9 (16コア/24スレッド) |
◎ | ★ 16コアで非常に高性能 |
◎ |
Core i7 (12コア/20スレッド) |
◎ | ◎ | ◎ |
Core i5(K) (10コア/16スレッド) |
◎ | 〇~◎ | ◎ |
Core i5(K無) (6コア/12スレッド) |
〇 | 〇 | 〇 |
Core i3 (4コア/8スレッド) |
〇 | △ | △ |
※評価は相対的なもの。「×」だから低性能、という意味ではない。
シングルスレッド性能
1スレッド(1コア)あたりの性能のことです。1スレッドあたりの性能が高いと、低負荷な処理に掛かる時間が短くなる(サクサク動く)他、マルチスレッド(マルチコア)処理に対しても影響があります。更に、マルチコアに最適化されていないアプリケーション等でも高いパフォーマンスを得ることが出来るなど、あらゆる方面で役立ちます。CPUにおいて最も汎用性のある性能と言えます。
マルチスレッド性能
CPUの全てのコアで処理を行った場合の性能のことです。エンコードやレンダリングなどの膨大な量の処理や、複数のアプリケーションを同時に動作させる場合などに有利に働く性能です。
ゲーミング性能
高性能なグラフィックボードと同時に稼働した場合のゲームパフォーマンスの高さです。CPUの内蔵GPU(iGPU)の性能ではないので注意です。
「ゲーミング性能」というのは、基本的にGPUよる部分が大きいです。いわゆるCPUのゲーミング性能というのは、「高性能なGPUの性能をどれだけ発揮させる事ができるか」というものです。CPUの性能が低いせいで、GPUの性能を上手く発揮出来ていないことを「ボトルネックになっている」と言ったりしますが、それを例にすると、CPUのゲーミング性能というのは「どれだけGPUのボトルネックにならないか」という感じのものになります。
第12世代では、Core i5(K付き)以降のモデルで高効率コアが追加され、コア数が従来より増加しています。そのため、該当モデルはマルチスレッド性能が飛躍的に向上しています。
Core i9は合計16コア24スレッドで、内訳は高性能コアが8、高効率コアが8です。高性能コアのみHT適用の8コア16スレッドとなっています。そのマルチスレッド性能は驚異的で、Core i9-12900Kは16コア32スレッドのRyzen 9 5950Xに近いマルチスレッド性能を発揮します。ゲーミング性能も非常に高く、あらゆる面で高性能なハイエンドCPUとなっています。ただし、消費電力は凄まじい多さなので注意が必要です。CPUクーラーは大型の水冷が推奨というか、ほぼ必須に近いです(最大限性能を発揮させたいなら)。電源容量にも注意が必要です。処理性能の高さのおかげで電力効率自体は前世代よりも大きく改善しているため悪くはないものの、本体の価格の高さや消費電力の多さを考えると第一にはおすすめしにくく、かなり上級者向けのCPUといえます。
Core i7は合計12コア20スレッドで、内訳は高性能コアが8、高効率コアが4です。高性能コアのみHT適用の8コア16スレッドとなっています。12コアによるマルチスレッド性能は非常に高く、前世代のCore i9を軽々と上回る性能です。ゲーミング性能やシングルスレッド性能も非常に高く、こちらはCore i9との差もほとんどないので、とにかくマルチスレッド性能を高くしたいという訳ではなくゲーミング性能が目的なら、Core i9よりもCore i7の方がコスパは良いです。消費電力の多さはCore i9ほどではないものの、K付きではかなり多くなります。冷却性能の高い大型クーラーが推奨です。前世代のハイエンドCPUを軽々を上回る性能を持つ12コアCPUが4万円台から購入できるのは非常に魅力的です。Core i7はいつもコスパと性能のバランス的に選ばれ易いですが、第12世代では従来よりも更に魅力的になっていると思います。迷ったらとりあえずCore i7で良いと思います。
Core i5は、K付きとK無しでコア構成が異なります。K付きは合計10コア16スレッドで、K無しは6コア12スレッドです。K付きのみ高効率コアが4つ追加されている形になっています。10コアのK付きモデルはクロックが高くなっていることもあり、その性能は「Core i5」というミドルレンジ感はないくらい高性能です。Core i7に近い印象です。ゲーミング性能とシングスレッド性能はCore i7やCore i9ともほとんど変わらず高性能です。少し予算をプラスすれば12コアのCore i7(K無し)が選べるため難しいですが、従来のCore i5のK付きのような「これ、ある意味あるの?」みたいな立ち位置では無くなったと思います。
対してCore i5のK無しモデルは、従来からコア構成には変化のない6コア12スレッドです。正直少し物足りなさはは感じますが、コアあたりの性能は前世代から大きく向上しているため強化はされており、価格は安いためコスパはやはり良いです。今までよりは相対的に価値を下げることにはなった気はしますが、低価格ゲーミングPCには非常に強力な味方です。
Core i3は、4コア8スレッドCPUです。基本Webブラウジングやオフィス作業などの軽い処理がメインの人用のCPUで、重い処理を主用途にしない場合の選択肢になります。コア数の少なさや電力制限が厳しく、ゲーミング性能やマルチスレッド性能はCore i5以降に大きく劣ります。
ただし、その性能は低性能というほどではなく、大体の重い処理もこなすこと自体は可能です。頼れるほどではないですが、予算をとにかく抑えたい場合には使うことはできます。
以上、ざっくりとした処理性能の説明です。その他の詳しい事については後述していきます。
価格・コスパ
第12世代Coreシリーズの価格とコスパの関係をざっくりまとめています。
モデル名 | 価格 | 性能 | コスパ |
---|---|---|---|
Core i9(K) | 非常に高価 (6万円台後半~7万円台) |
★ | 〇 |
Core i7(K) | 高価 (おおよそ4万円~5万円) |
◎ | ◎ |
Core i5 | やや高価 (2万円台前半~3万円台後半) |
〇 | ◎ |
Core i3 | 安価 (1万円台) |
△ | 〇 |
※評価は相対的なもの。「×」だから低性能、という意味ではない。
個人的にはCore i7とCore i5(K付き)が特に魅力的に感じます。高効率コアが追加された中では安価で、コアあたりの価格が安いです。マルチスレッド性能コスパが良いです。
Core i9もマルチスレッド性能コスパ自体は良いですが、本体価格の高さと凄まじい消費電力の多さがネックです。また、Core i7との価格差が大きい割にはゲーミング性能とシングルスレッド性能が僅かしか変わらないのも微妙です。物凄く大量のマルチスレッド処理を長期的に行う必要がある場合には有力な選択肢になると思いますが、個人利用でゲームがメインという場合にはCore i7の方がおすすめです。
Core i3は非常に安価で、ライト・ビジネスユーザー向けには有力な選択肢になると思います。重い処理やゲーミングも上位モデルに比べると劣るというだけで、出来ない訳ではないです。
各モデルの特徴【i9 , i7 , i5 , i3】
「Core i」シリーズの各モデルの特徴をざっくり解説しています。
「CPUのゲーミング性能」は基本的に「高性能なグラフィックボードを使用した場合」のものを指しています。CPUの内蔵GPU(iGPU)の性能を示すものではないため、注意してください。
Core i9:ハイエンド上位
- 各性能が非常に高性能で、全モデルで最も高い
- 16コア24スレッドによる驚異的なマルチスレッド性能
- 消費電力・発熱が凄まじく多い
- 冷却性能の非常に高いクーラーが必要
- 非常に高価(おおよそ6万円台後半~7万円台)
第12世代のCore i9は、16コア24スレッドのハイエンドモデルです。Intelの主流CPUとしては最高性能のモデルになります。
Core i9の特に魅力な点は、16コアによる非常に優れたマルチスレッド性能です。高性能コア8つに高効率コア8つというコア構成になっており、前世代(第11世代)のCore i9から総コア数が2倍、スレッド数が1.5倍になっています。その結果、マルチスレッド性能が1.7倍近く向上しています。驚異的な向上率で、前世代までのCore i9とは別物レベルの超ハイエンドCPUへと進化しています。
ただし、その処理性能の高さの代わりに非常に高価で、6万円台後半~7万円台という超高価格設定です。飛躍的に向上したマルチスレッド性能のおかげでコスパは悪くはないですが、やはり高いため気軽には手を出しにくいです。
しかも、消費電力(発熱)がめちゃくちゃ多く、性能を最大限引き出すためには冷却性能の非常に高いクーラーが求められる点も敷居が高いです。特にK付きのモデルの発熱は凄まじく多いので、水冷クーラーが推奨というか必須レベルです。本体価格の高さに加えてCPUクーラーや電源に掛かる費用も高いため、搭載PCの価格はかなり高くなります。性能だけを重視したい人向けの上級者向けのCPUです。
また、Core i9の処理性能は素晴らしくCoreシリーズでトップなのは確かですが、下位モデルに対して大きな優位性があるのはマルチスレッド性能のみという点も留意しておくと良いです。
シングルスレッド性能はCore i7やCore i5と大きくても5%程度しか変わりませんし、ゲーミング性能もタイトルにはよるものの、総合的に見ると差はわずかだったりします。第12世代ではCore i9だけでなく下位モデルのマルチスレッド性能も飛躍的に向上したこともあり、Core i9ほどの性能がなくてもボトルネックが発生しづらくなっています。
といった事情もあり、その非常に優れたマルチスレッド性能は魅力ですが、性能重視でも効率面を考えるなら第一にはおすすめできないモデルです。コスパは基本的に Core i7 の方が優秀です。
その驚異的なマルチスレッド性能のため用途によっては選択する価値は十分あるとは思いますが、慎重に選ぶことをおすすめします。
Core i7:ハイエンド
- 各性能が非常に高性能
- 12コア20スレッドによる非常に優れたマルチスレッド性能
- 優れたコスパ
- 消費電力・発熱が非常に多い
- 冷却性能の非常に高いクーラーが必要
- 高価(おおよそ4万円台前半~5万円)
第12世代のCore i7は、12コア20スレッドの高性能モデルです。Core i7は代々、迷ったらCore i7と言われることもあるほど、高性能CPUの安定択として常に高い人気を誇っている人気モデルです。第12世代も例に漏れずに各種高い性能を持っており、詳しく調べなくても大体の要件を満たすことができるのも魅力のCPUと言えます。
第12世代Core i7では総コア数が12となっています。従来の高性能コア8つに加え、高効率コア4つが追加されている形です。高効率コアが追加されたおかげでマルチスレッド性能は前世代から飛躍的に向上し、前世代のCore i9をも大幅に上回りました。超高性能CPUです。
シングルスレッド性能およびゲーミングゲーミング性能ももちろん高いです。マルチスレッド性能ではコア数で負ける分Core i9には劣るものの、シングルスレッド性能、ゲーミング性能では小さな差しかないため、少しでも高いマルチスレッド性能が欲しいという場合でなければCore i9と実用性はほぼ変わりません。一般消費者向けとして非常に魅力的な高性能CPUに仕上がっていると思います。
ただし、価格は大体4万円~5万円と高価です。また、消費電力(発熱)も特にK付きは非常に多く、性能を最大限引き出すためには冷却性能の高いクーラーが求められます。K無しでは中型の空冷でも運用は可能なレベルですが、K付きだと大きめの水冷が推奨されるレベルです。価格や電力・発熱面はどちらもCore i9ほど規格外ではないですが、十分に注意する必要がある点には注意です。
Core i5:ミドルレンジ~ハイスペック
- やや高価(3万円台後半)
- 非常に優れたシングルスレッド・ゲーミング性能
- 10コア16スレッドによる優れたマルチスレッド性能
- コスパが良い
- 消費電力・発熱が多い(末尾K)
- 上位モデルに劣るマルチスレッド性能
- 比較的安価(2万円台)
- 大体のことはこなせる性能
- 非常にコスパが良い
- 6コアで上位モデルに大きく劣るマルチスレッド性能
Core i5 はCoreシリーズにおけるミドルレンジモデルです。ですが、この「ミドルレンジモデル」というのは同世代のCore i7やCore i9と比較した場合の話です。そのマルチスレッド性能は前世代のCore i9を上回るレベルで、ハイエンド用途でも十分通用する性能となっています。
第12世代のCore i5は、K付きとK無しでコア構成が異なるため、性能も大きく変わります。
まず第12世代Core i5(K付き)ですが、合計が10コア16スレッドとなっています。高性能コア6つに、高効率コア4つが追加されている形です。10コアという仕様からも伺えますが、ミドルレンジという肩書きにそぐわない高性能さを発揮します。前世代のCore i9を上回る性能です。
Core i5の弱点は、上位モデルに対してマルチスレッド性能で大幅に負けているためにハイエンド用途で少し不安があるというものでした。その弱点が第12世代のCore i5(K付き)では軽減されています。ゲーミング性能差もわずかとなっていて、その他のハイエンド用途でも通用するレベルまで引き上げられています。今までのCore i5とは一線を画す出来になっていると思います。
ただし、価格は3万円台後半と高くなっているため、Core i7との差別化が難しい点や、「Core i5」でもK付きは発熱・消費電力がかなり多い点は注意です。K付きのCore i7やCore i9よりはマシなものの気を付ける必要があります。性能を最大限発揮させたいなら、CPUクーラーは空冷なら14cm以上のファンか12cm以上のファン2基以上のものが必要になってくると思います。
次に第12世代Core i5(K無し)です。合計6コア12スレッドとなっています。高効率コアはありません。そのため、マルチスレッド性能は高効率コアが追加された上位モデルと比べると大幅に劣ります。とはいえ、前世代よりコア自体の性能が大きく向上していますし、最新の6コア12スレッドCPUなので、性能自体は悪くありません。重い処理でも使えますし、大体の処理をこなすことができます。
また、価格が2万円台と上位モデルよりも大幅に安いため、コスパも非常に良いです。消費電力・発熱も少なく、電源やクーラーも節約できる点も嬉しいです。低価格PCの非常に強力な味方です。
上位モデルの高効率コア追加によって、相対的に魅力は下がったのは事実かなと思いますが、未だに予算の選択肢としては最有力として機能すると思います。
Core i3:エントリー~ミドルレンジ
- 非常に安価(1万円台)
- 軽作業には十分な性能
- 消費電力・発熱が少ない
- 優れたコスパ
- 4コアで重い処理には向かない性能
Core i3は、エントリー~ミドルレンジCPUモデルです。中の下くらいの印象が丁度良いかと思います。
第12世代のCore i3は、4コア8スレッドCPUです。処理性能はCore i5以上の上位モデルと比べると大幅に低く、重い処理には向きません。Webブラウジングやオフィス作業などなら十分な性能を持っているので、それらの用途がメインのライトユーザーやビジネス用途での採用が主なモデルです。
価格は1万円台と安価で、消費電力と発熱も少ないので、扱い易いです。省スペースPCなどでも採用しやすいです。
コスパ自体は非常に良く、扱い易いため魅力的にも見えますが、やはり上位モデルと比べると重い処理への対応力が大幅に低いのが弱点です。やはり4コアは厳しいです。レンダリングやマルチタスクなど、マルチスレッド性能が重要な処理では上位モデルに大幅に劣る他、ゲーミングでもボトルネックとなり易いため性能は低いと言えます。
CPUはPCの中心で、その性能は全ての処理を左右します。購入当初は重い処理を想定していなくても、ある程度は対応力があるのが望ましいです。場合によっては痛い出費かもしれませんが、+5,000円~10,000円でCore i5を選べると考えると、Core i3の魅力はやはり微妙な気がしてしまいます。やはり重い処理も後に行う可能性を考えるとCore i5以上を選ぶのが無難だと思います(個人的な意見です)。
とはいえ、1コアあたりの性能は少し前のハイエンドCPUを上回っているため、Core i3の4コアでも重い処理が不可能というほどではありません。一応こなせます。処理性能よりも小型化や少しでも予算を抑えたい場合には、有力な選択肢になると思います。
現在の主要CPU
記事更新時点(2022年1月)の主流製品の性能比較表を下記に示しています。最新世代から2世代(第12,11世代)を対象としています。各指標の説明や参考サイト等は、表の下にまとめて記載にしていますので、そちらをご覧ください。
末尾Fのモデルは、Fの付かないモデルから内蔵GPUが無効化されたモデルで、Fの付かないモデルとCPUとしての処理性能は基本的に同じです。第12世代プロセッサでクロックが複数記載されているのは、高性能コア(Pコア)と高効率コア(Eコア)の2種類のクロックを分けて記載しているためです。
CPU名称 | 評価 | Cinebench R20 Multi |
クロック 定格 / 最大 |
TDP |
コア
/スレッド
|
L3
キャッシュ |
参考価格 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
Core i9-12900K | 〇 | 10511 | 3.2 / 5.2GHz 2.4 / 3.9GHz |
125W | 16/24 | 30MB | 73,800円 |
Core i9-12900KF | 〇 | 10511 | 3.2 / 5.2GHz 2.4 / 3.9GHz |
125W | 16/24 | 30MB | 71,800円 |
Core i9-12900 | ? | ? | 2.4 / 5.0GHz 1.8 / 3.8GHz |
65W | 16/24 | 30MB | ?円 |
Core i9-12900F | ? | ? | 2.4 / 5.0GHz 1.8 / 3.8GHz |
65W | 16/24 | 30MB | ?円 |
Core i7-12700K | ◎ | 8750 | 3.6 / 4.9GHz 2.7 / 3.8GHz |
125W | 12/20 | 25MB | 51,400円 |
Core i7-12700KF | ◎ | 8750 | 3.6 / 4.9GHz 2.7 / 3.8GHz |
125W | 12/20 | 25MB | 48,500円 |
Core i7-12700 | ? | ? | 2.1 / 4.8GHz 1.6 / 3.6GHz |
65W | 12/20 | 25MB | 48,800円 |
Core i7-12700F | ? | ? | 2.1 / 4.8GHz 1.6 / 3.6GHz |
65W | 12/20 | 25MB | 43,800円 |
Core i5-12600K | ◎ | 6709 | 3.7 / 4.9GHz 2.8 / 3.6GHz |
125W | 10/16 | 20MB | 39,000円 |
Core i5-12600KF | ◎ | 6709 | 3.7 / 4.9GHz 2.8 / 3.6GHz |
125W | 10/16 | 20MB | 37,000円 |
Core i9-11900K | × | 6214 | 3.5 / 5.2 GHz | 125W | 8/16 | 16MB | 67,000円 |
Core i9-11900KF | × | 6214 | 3.5 / 5.2 GHz | 125W | 8/16 | 16MB | 65,000円 |
Core i9-11900 | △ | 5912 | 2.5 / 5.2 GHz | 65W | 8/16 | 16MB | 55,000円 |
Core i9-11900F | △ | 5912 | 2.5 / 5.2 GHz | 65W | 8/16 | 16MB | 52,500円 |
Core i7-11700K | 〇 | 5709 | 3.6 / 5.0 GHz | 125W | 8/16 | 16MB | 46,000円 |
Core i7-11700KF | 〇 | 5709 | 3.6 / 5.0 GHz | 125W | 8/16 | 16MB | 44,000円 |
Core i7-11700 | 〇 | 4834 | 2.5 / 4.9 GHz | 65W | 8/16 | 16MB | 41,000円 |
Core i7-11700F | 〇 | 4834 | 2.5 / 4.9 GHz | 65W | 8/16 | 16MB | 39,000円 |
Core i5-12400 | ◎ | 4784 | 2.5 / 4.4 GHz | 65W | 6/12 | 18MB | 27,800円 |
Core i5-12400F | ◎ | 4784 | 2.5 / 4.4 GHz | 65W | 6/12 | 18MB | 23,800円 |
Core i5-11600K | × | 4293 | 3.9 / 4.9 GHz | 125W | 6/12 | 12MB | 32,000円 |
Core i5-11600KF | × | 4293 | 3.9 / 4.9 GHz | 125W | 6/12 | 12MB | 29,000円 |
Core i5-11500 | 〇 | ? | 2.7 / 4.6 GHz | 65W | 6/12 | 12MB | ?円 |
Core i5-11400 | 〇 | 3954 | 2.6 / 4.4 GHz | 65W | 6/12 | 12MB | 22,500円 |
Core i5-11400F | 〇 | 3954 | 2.6 / 4.4 GHz | 65W | 6/12 | 12MB | 20,000円 |
K:オーバークロック可能モデル。クロック周波数を従来より引き上げる事が可能なモデル。しかし、オーバークロックは想定されていない発熱の増加が懸念されるため、基本的には非推奨。ただし、オーバークロックをしなくても、無印版より定格やTB時の周波数が高くなっており、オーバークロックを利用しなくても性能が高いので、オーバークロックをする気が無くても、ただの高性能モデルとして扱える。
F:内蔵GPU(iGPU)が無効化されているモデル。別途GPUが必須となる。価格が少し安い。
CPU名称:CPUの名称です。4桁の数字の先頭が世代数を表しています。(例: Core i7 8700 → 第8世代)
評価:筆者の主観によるオススメ度を表しています。性能と価格から判断しています。
Cinebench R20 Multi:CPUのベンチマークで有名なCinebenchのマルチスレッドテストです。高いほど高性能です。
クロック周波数:CPUのクロック周波数です。記載しているTB(ターボブースト)時の周波数は最大の時のものです。また、TBは全てのコアに適用されるとは限らず、各コアによって最大周波数が違う場合もあります。それらは製品によって異なります。
TDP:熱設計消費電力です。CPUの消費電力の目安となる指標です。ですが、半ば形骸化しており、実際の最大消費電力はTDPの値を大きく超える事が多いです。
コア:CPUが実際に処理を行う部品の名称です。コア数が多いほど発熱が多くなる傾向があります。
スレッド:ざっくりいうと、コアが行う仕事を表します。原則は、1コアにつき1スレッドですが、ハイパースレッディング・テクノロジーという技術により、1コアを疑似的に2コアに見せることで、1コアにつき2スレッドを実現したCPUも今では珍しくありません。
キャッシュ:データを一時的に保存できるメモリーです。選択の余地は基本ないので、容量が多いほど良い、程度の認識で構いません。
参考価格:CPUの現在の価格の参考です。記事更新時点での、価格.comやAmazonなどの最安値となっています。最終更新は2019年6月25日です。
対応チップセットとソケット形状
Core iシリーズの、対応チップセットおよびソケットについて触れています。
2021年11月現在の最新から2世代の、第12世代の「Alder lake」, 第11世代の「Rocket Lake」について載せています。
ソケット形状
ソケット形状は、第12世代は「LGA1700」、第11世代は「LGA1200」となっています。双方の互換性はありません。そのため、同じマザーボードを使用できない他、CPUクーラーも取り付け穴の位置が異なるため、既に出荷されたLGA1700の対応キットが同梱されていないクーラーは使用できないため注意してください。ただし、CPUクーラーへの対応については、既存の出荷前製品へのキットの同梱が終わるまでは代理店などから無償配布等が行われることが基本だと思います。事前に確認することをおすすめします。
【第12世代「Alder Lake」の対応ソケット】
・LGA1700
【第11世代「Rocket Lake」の対応ソケット】
・LGA1200(第10世代と共通)
チップセット
第12世代はIntelの600シリーズチップセット対応となっています(例:Z690)。第11世代(400番台および500番台)との互換性はありません。
CPU仕様も含めて従来から変わった主な点として、DDR5メモリに対応した点や、PCIe 5.0に対応した点などがあります。
主流なチップセットを列挙しています。※個人利用では気にする必要は無いかと思いますが。下記以外にもワークステーション向けのもので対応しているチップセットもある場合があります。(例:W480,Q470)
第12世代 | 第11世代 |
---|---|
ソケット形状 | |
LGA1700 | LGA1200 |
チップセット | |
Z690 | Z590 |
H670 | H570 |
B660 | B560 |
H610 | H510 |
Z490 | |
H470 | |
B460 | |
H410 |
その他参考
「Core i」シリーズの「違い」とは直接の関連のない事柄をまとめています。知っておいて損はないと思うので、よろしければご覧ください。
オーバークロック
Intel製の主流CPUの場合、末尾(接尾語)が「K」のCPUは「オーバークロック(OC)」が可能となっています。
オーバークロックとは、仕様で定められているクロック周波数の上限値を突破して引き上げる事が可能な機能です。これを利用すると、そのCPUの本来の性能を上回ることが可能となりますが、想定されていない発熱の増加により故障のリスクが高まる上に、メーカーの保証も無くなります。基本的に非推奨とされている機能です。
性能限界を知るためにベンチマークテストをされている事はありますが、一般的にはほぼ活用はされない機能で、余程の上級者でない限りは気にする必要が無い機能となっています。
ただし、オーバークロック可能モデル(末尾K)は、定格やTB時の周波数がK無し版CPU(無印)より基本的に高いです。また、電力制限もやや緩く設定されているため、十分な冷却能力が確保されていれば、オーバークロックをしなくても類似の他CPUより性能は基本的に高いです(例:Core i7-11700よりもCore i7-11700Kの方がOCしなかったとしても高性能)。
そのため、オーバークロックを利用する気が無くても、末尾Kのオーバークロック可能モデルを購入する理由はあります。
第11世代および第12世代のCore i9のOC可能モデル(例:Core i9-12900K)では、自動オーバークロック機能のようなものが使えます。
Adaptive Boost Technology(以下:ABT)と呼ばれるもので、温度制限付きで動的にクロックを引き上げてくれるブースト機能です。普通のオーバークロックは何かあっても保証の対象外となるのに対し、ABTは保証の範囲内となります。そのため、リスクは従来のオーバークロックと同様にありますが、少し手軽に利用できるものになっています。
熱的に余裕があるならクロックを引き上げるブースト機能は大体のCPUで搭載されていますが、ここで引き上げられるクロックはあくまで仕様の範囲内です。ABTが従来のブースト機能と違うのは、公式機能で本来のクロック制限を超えての動作が許容されている点です(温度制限内なら)。そのため、自動オーバークロック機能と評されていたりします。
ABTは標準では基本的に無効になっているようですが、公式機能なので細かい設定などは要らずに簡単にONにして利用することができます。ただし、元々第11,12世代のCore i9の発熱はとんでもなく多いので、ABTを有効活用するためにはかなり冷却性能の高いCPUクーラーを導入する必要がある点には注意が必要です。また、そもそも通常のブースト機能でもCore i9の最大クロックは非常に高いので、消費電力・発熱上昇のデメリットを打ち消せるほどの性能向上は恐らく見込めない点は留意しておきましょう。
末尾のアルファベット(接尾語)
CPUには、「Core i7 9700K」の「K」のように、末尾にアルファベット(接尾語)が付属している場合があります。
この文字は、そのCPUの機能性を示すものとなっています。以前はかなり多くのアルファベットが乱立していましたが、現在ではかなり整理されており、数種類しかありません。覚えておくと、名前を見るだけでざっくりとした相対比較ができるので便利です。下記にまとめています。
- K:オーバークロック可能モデル。オーバークロックしなくてもベースCPUより周波数が高く高性能。
- F:内蔵GPU(iGPU)無効化モデル。ベースCPUより価格が少し安い。
Intel CPUの名称については下記の記事でもうちょっと詳しく解説しています。興味があればご覧ください。
付属クーラー(熱対策)
CPUは、その小さな本体で膨大な処理を行い、多量の電力を消費するため、かなり発熱します。そのためCPUにはクーラーによる冷却が必須です。
Intel製CPUでは、TDPが65W以下のモデルではクーラーが付属しており、それ以上のモデルでは付属しないのが基本です。要するに、特に発熱が多いCPUに関してはクーラーが基本的に付属しないため、別途クーラーの用意が必要になります。BTOパソコン等では、何もしなくても何かしらのクーラーが搭載されていますが、コスト削減のため冷却性能が十分でないクーラーを標準採用しているケースも多いです。事前に確認しておきましょう。
ちなみに、第12世代では付属クーラーが刷新され、従来よりも少し冷却性能が高くなりました。最近のIntel CPUはTDPが65W以下のモデルでも上位モデル(Core i7以上)では発熱が多いこと基本なので、クーラーが付属しているモデルでも、出来れば別途クーラーを利用することをおすすめしますが、以前よりはマシになっているようなので、とにかく安さを重視したい場合には最悪とりあえず様子見で採用というも手かもしれません。
CPUクーラーの全体的な話として、どの程度のクーラーが良いかは利用環境にとっても異なるため、一概に言うのは難しいですが、ざっとした目安を下記に添えておきます。参考までにご覧ください。
CPU | 推奨クーラー |
---|---|
Core i9(K) Core i7(K) |
簡易水冷 (240mm以上のラジエーター) |
Core i9 Core i7 Core i5(K) |
簡易水冷 (240mm以上のラジエーター) 大型空冷 (120mm以上のファン2基 or 140mmのファン1基) |
Core i5 | 簡易水冷 (120mm以上のラジエーター) 空冷 (120mm以上のファン1基以上) ※120mmファン1基の空冷だと最大性能を出すにはちょっと厳しいかも。 高負荷な処理をたくさんする前提じゃなければOK。 |
Core i3 | 付属クーラー ※重い処理もやるなら変更推奨 空冷 (92mm以上のファン1基以上) |
記事はここまでになります。ご覧いただきありがとうございました。
CPUのその他の情報に関しては、下記の記事も参考になるかもしれません。良ければご覧ください。

説明がとてもわかり易かったです。
最初は10900kを使おうと思っていたのですが11700kのほうが良いということがわかってよかったです
とても分かりやすい記事をありがとうございます。
当方corei7 9700KFというモデルを使っています。
マザーボードがオーバークロックできないものでKのものでなくてもよかったかなと思いましたがベースのものよりも性能高いんですね。この記事に出会わなければわからなかったことです。あと内臓GPU非搭載というのは何かデメリットなどはあるのでしょうか。わたしのPCにはグラフィックボード積んでいます。
内蔵GPU非搭載のデメリットは、グラフィックボードを利用する前提ならほぼ無いと思います。
強いていうなら、グラフィックボードが故障して使えなくなった際に画面が表示する事ができない事や、グラフィックボードを搭載しにくい超小型PCでの利用が難しいというくらいだと思います。
追記:内蔵GPU非搭載モデルではQSVエンコードを利用する事ができません。恐らく大丈夫とは思いますが、積んでいるグラフィックボードがハードウェアエンコード未対応だった場合には困る可能性はあります。
Kが付かないとOCってできないのですか?
いいえ、必ずしもそうではありません。ですが、”Intelの主流CPU”内なら、基本的にその認識でも構わないです。
「Core X(Extreme Edition)」というシリーズは末尾がXでOC可能ですが、非常に高価かつ消費電力が多いため一般向けではありませんし、以前に末尾CのCPUでOC対応のものがありましたが、現在は恐らく廃止されている、など例外はあります。
また、AMD製のCPUでは末尾Kは関係なく、無印でもOCに対応していたりします。
Core i3:エントリー~ミドルレンジ の説明で
悪い点:消費電力(発熱)が少ない
とありますが、冬場の暖房器具としての性能かな?
確認不足でした。「良い点」の間違いですね。申し訳ございません。訂正いたしました。