【性能比較】Core「9 / 7 / 5 / 3」の違いを解説【2025年最新版】

デスクトップ向けのIntelの「Core」シリーズの各モデル「9 / 7 / 5 /3」などのナンバリングごとの違いをざっくり解説しています。

本記事の主な対象は「最新世代」+「最新の一つ前の世代」としています。2025年2月時点では「Core Ultra 200S」+「第14世代Core」です。本来はナンバリングごとの違いに焦点を当てたページでしたが、Core Ultraで世代間の差も多く出てきたので、現在はそちらの内容も多めです。

注意
本記事の内容は、記事更新時点(2025年2月)のものとなります。ご覧になっている際には異なる可能性があるため注意してください。

早速ですが、Core「9 / 7/ 5 / 3」各モデルの凄くざっくりとした概要を載せています。数字が大きいほど上位モデルになります。

※文中に出てくるPコアとEコアについては、Pコアは高性能コアを指し、Eコアは高効率コアを指します。EコアはPコアよりも小型で省電力ですが、コアあたりの性能がPコアよりもやや劣ります。

Coreのナンバリングごとの特徴ざっくり(2025年2月時点の主要モデル)
Core Ultra 9 / i9:最もコア数が多いハイエンドモデルだが、性能以外の面は犠牲に
Core Ultra 9 / i9はCoreシリーズにおける最上級モデルです。2025年2月時点の主要世代「Core Ultra 200S / 第13,14世代Core」の場合、コア数は24コア(8P+16E)と非常に多いです。Coreシリーズで最も多いコア数を持ち、そのマルチスレッド性能は圧倒的な高さです。
その代わり、価格は非常に高価ですし(2025年1月時点で約8~11万円)、高負荷時の消費電力がものすごく多いため、電源容量やCPUクーラーにも十分に注意を払う必要があります。
ゲームにおいても高い性能を持ちますが、現状は重いゲームでもコア数で恩恵があるのは8コア程度まで(Pコア)と言われているため、実は「Core Ultra 7 / Core i7(8P+12Eコア)」と比較してもゲーム性能は大して変わりません。クロック差などによるわずかな差となっています。そのため、9モデルを検討するのは、費用や消費電力を犠牲にしてもマルチスレッド性能を少しでも高めたいという場合になります。ほとんどの人にとっては実用面ではマイナスになることも珍しくないと思うので選ぶ際には慎重になる必要があります。
また、「Core Ultra 9(200)」はゲーム性能が先代のCore i9と比べて少し低下している点に注意(2025年のBIOSアップデートにて改善が示唆されてはいる)。その代わりゲーム時の温度面は改善し、NPUを搭載するなどの別の面で少し優位性があります。
Core Ultra 7 / i7:ゲーム性能は「9」とも大差ない高性能高コスパな人気モデル
Core Ultra 7 / i7はCoreシリーズにおける上級モデルです。コア数は20コア(8P+12E)となっています(2025年2月時点の主要世代「Core Ultra 200S / 第14世代Core」の場合)。非常に多いコアを持ち、そのマルチスレッド性能は非常に高いです。
「9」モデルと比べるとコアが4つ少ないですが、削減されているのは小型のEコアのみで、高性能なPコアの数が変わらないのがポイントです。現状は重いゲームでもコア数で恩恵があるのは8コア程度まで(Pコア)と言われているため、実は「Core Ultra 9 / Core i9(8P+16Eコア)」とゲーム性能は大して変わりません。
マルチスレッド性能は、ほとんどの消費者にとっては「7」でも十分すぎる性能が得られるということもあり、実用コスパという意味では「9」モデルを上回ることが多いため、高性能CPUを求める際に特に人気なのが「7」です。
ただし、価格が「9」ほどではないものの非常に高価な点がデメリットです(2025年2月時点で約5~7万円台)。
電力面に関しては、K無しモデルは省電力な他、Core Ultra 7(例:Core Ultra 7 265K)ではK付きでも電力面が格段に改善しているので以前ほど気を遣わなくてよくなっています。
前世代のi7のK付き(例:Core i7-14700K)は電力面が凄く悪いですが、そこさえ避ければ良いので、「9」と比べれば電力面でも融通は利きやすいです。
Core Ultra 5 / i5:性能も悪くなく、価格の安さとコスパが魅力のミドルレンジモデル
Core Ultra 5 / i5はCoreシリーズにおける中級モデル、いわゆるミドルレンジモデルです。コアは2つの構成が存在し、10コア(6P+4E)か、14コア(6P+8E)です(2025年2月時点の主要世代「Core Ultra 200S / 第14世代Core」の場合)。
「7」と比べるとコア数が6~10コアも少ないため、マルチスレッド性能は大きく劣りますが、十分に高性能と呼べる性能となっており、重い処理でも普通にこなせる性能です。
それでいて、価格は比較的安価なのが強みです。2025年2月時点では2万円台中盤~5万円程度となっています。
ゲーム性能は基本的に「7」以降にやや劣る傾向がありますが、それはあくまでハイエンドGPUと組み合わせたときの話であり、ミドルレンジGPUと併用する場合にはさほどネックではなかったりすることも多いので、特に低価格ゲーミングPCでコスパを最大化する選択肢として強力で人気です。
消費電力や発熱に関しても「7」モデルよりも余裕があり、K付きであっても空冷で運用出来るレベルです。
ただし、K付きのモデルは「7」の下位モデルとの価格差が小さいため、コスパ的には少し微妙なことが多いです。基本的に安さ・コスパ重視でK無しモデルを前提に考えるモデルだと思います。
Core i3:安さが魅力のエントリーモデルだが、需要もコスパも低め
Core i3はCoreシリーズにおける下位モデルです。第13,14世代CoreではPコアが4つだけのシンプルな構成となっており、10コア以上を搭載するCore i5以上と比べると性能は圧倒的に劣ります(2024年10月時点の主要世代「Core Ultra 200S / 第14世代Core」の場合)。そのため、ゲームを含め高い性能を求めるには向かないCPUです。魅力は価格の安さです。
性能もオフィスやWeb閲覧などの軽作業なら十分な性能はあるので、軽作業前提で少しでも費用を減らしたい層をターゲットとしたCPUです。しかし、Core i5の下位モデルとの価格差は1万円前後程度となっており、小さい価格差ではないものの、性能差が如何せん圧倒的なので、コスパは明らかに劣っています。
そのため、予算を節約したい場合でもCore i5の下位モデルが選ばれるケースが多く、Core i3の需要はそこまで高くない印象です。それはIntelも認識しているようで、Coreでも第11世代ではCore i3は投入が無かったり、競合のRyzenでもRyzen 3は投入が遅れたり無かったり、明らかに力が入れられていません。基本的にはおすすめしないモデルです。

ざっくり比較

超ざっくり比較表(モデル別のコア数と性能の関係)

まずは、「3~9のそれぞれ特徴をざっくり掴めれば」といった感じの超ざっくりとした比較表を載せています。主にコア数とマルチスレッド性能と電力面の関係です。

Core Ultra 200S と 第14世代Core 超ざっくり比較
CPUブランドコアマルチコア性能ゲーム性能
※高性能GPUと併用時
消費電力
Core Ultra 924 コア
(8P + 16E)
ものすごく強い強いK付きは非常に多い(~250W+)
K無しは省電力
65Wベース)
※K無しは省電力だけど、性能が低下
Core i9すごく強い
Core i720 コア
(8P + 12E)
すごく強い
Core Ultra 7やや強いK付きはやや多い
K無しは省電力(65Wベース)
※K無しは省電力だけど、性能が低下
Core i510 ~ 14 コア
(6P + 4E~8E)
やや強い 強い
(10コア~14コア)
まぁまぁ 強い
(K無し~K付き)
Core Ultra 5弱くはないK付きは少し多め
K無しは省電力(65Wベース)
※K無しは省電力だけど、性能が低下
Core i34 コア
Pコアのみ
やや弱い弱い
※ハイエンドGPUだと
かなり弱い
少ない
65W~89W

上記の表を見ると分かるように、「数字が増えるほどコア数が多くなり、消費電力が増える」のがポイントです。また、価格も上位モデルになるほど高価になります。これがデスクトップ版Coreの基本原則です。

そして、特に「7」と「9」のどちらかを選ぶかで迷う場合に気を付けたいのが、Eコアです。「7」と「9」ではPコア(高性能コア)の数が変わらず、変わるのはEコアの数です。

EコアはPコアと比べると1コアあたりの性能が低いため、シングルスレッド性能の高さが重要な処理(ゲーム含む)の場合には使われない場合も多いです。

Eコアによるマルチスレッド性能の底上げが活きる用途で使うかどうかがポイントというのは覚えておいて損は無いかと思います。

そして、従来なら上記でほぼ終わりの説明なのですが、2024年10月現在では「Core Ultra 200S」という新シリーズへの切り替わり時期のため、「第14世代Core」と「Core Ultra 200S」の2つのシリーズの違いも知っておく必要があるのが少し面倒だったりします。

しかし、幸いコア数は先代モデルと同じ数と構成を維持している他、マルチスレッド・シングルスレッド性能の向上は少しだったので、意外と覚えておくポイントは少なめです。

Intel CPUの末尾のアルファベット(サフィックス)の意味

CPUを見ていると、「Core Ultra 9 285KF」などのように、末尾にアルファベットが付いているものがあります。

これは主にCPUの大まかな特徴(他製品と比較した場合)を表すものとなっています。Intelの消費者向けデスクトップ版CPUでは、現在では主に以下のようなものが使われています。

末尾(サフィックス)意味概要
K倍率ロックフリーCPUのクロック(周波数)の倍率を自由に変更でき、いわゆる「オーバークロック」が可能な性能特化モデルです。
また、標準のクロックもK無しモデルよりも高く、電力も標準だと多く使う設定となっていることが基本な高消費電力・高発熱モデルでもあります。CPUクーラーには注意する必要があります。
F内蔵GPU無効内蔵GPUが無効なモデルです。その分価格が少し安くなっています。映像出力には外部GPUが必須となるため注意。
無印特になし特徴が明記されていないモデルです。しかし、KやF付きではないということなので、標準電力設定が省電力なことが多く、オーバークロックができない点は逆に言えば特徴です。

ゲーミングPC用の場合は大体別途グラフィックボードを搭載しており、内蔵GPUが必要でないため、「F」が最も安価でコスパが良いです。

無印はオーバークロックができず、省電力な設定になる傾向があります。しかし、電力設定を調整することで、初期設定よりも性能を少し引き上げたりは出来る場合がある点は覚えておくと良いかもしれません。

K付きはオーバークロックが可能なだけでなく、標準のクロックや電力設定値も高い性能特化モデルです。しかし、ほとんどの場合においては無印の方が電力効率が良く、少しの性能向上のために電力を多く使って発熱も爆増するみたいな場合が多い点に注意。後から悪い意味でK付きの特徴が嫌になった人は、少し最大クロックや最大の消費電力を下げると良いかもしれません。

第14世代Core と Core Ultra 200S の違い

「Core Ultra 200S」は「第14世代 Core」の次の世代のシリーズです。名前だけでなく、従来から大幅な刷新が行われ、多くの変更を含んでいます。

モデルナンバーではなく世代による違いなので記事の主旨とは少しズレますが、違いが結構あるので触れておきます。

タイル設計への移行や素材となるダイのプロセスの大幅な微細化など、基盤の物理設計も変わっていますが、そちらについては割愛するとして、性能面で覚えておきたいのは主に次の点です。

Core Ultra 200S と 第14世代Core との主な違い

前世代からゲーム性能が少し低下(高性能グラボ利用時)

NPUの追加(無し→13TOPS)

内蔵GPU性能の向上(約3倍に)

消費電力・温度が大きく低下

マルチスレッド性能の向上(~8%程度の小さめの向上)

気を付けたいのはやはり、高性能グラボ利用時のゲーム性能が低下している点です。「Core Ultra 200S」の方が新しいシリーズですが、前世代の「第14世代Core」に負けています。

ゲームは高額PCの購入理由として非常に多いため、ゲーム性能は注目度の高い項目です。そのため、他に良い点がたくさんあってもゲーム性能一つの悪さで大きなマイナスポイントとして捉えられることが多いです。

また、マルチスレッド性能が大して向上しなかったことも、低下したゲーム性能に注目が集まる理由になっています。

しかし、上で紹介したように「Core Ultra 200S」には良くなった点もあります。

特に、AI処理用の「NPU」が搭載されたのは要注目です。第14世代CoreまではNPUは搭載されていなかったので、明確な優位性です。

ただし、高性能なGPU(グラボ)は高いAI性能も備えていることが基本なので、ゲーミングPCでは重要度は凄く高い訳ではない点も併せて考える必要があります。GPUからAI処理をある程度切り離すことが期待できる点をどう考えるかという感じです。

その他にも電力面は第14世代Coreが凄く悪かったことも、「Core Ultra 200S」では大きな改善が見られたりなどもあります。

第13・14世代Coreの不具合について(一応対策済みBIOSあり)

結構話題になったのでご存じの方も居るかと思いますが、第13・14世代のCore(例:Core i9-14900K)では、設計用の致命的な欠陥があり、CPUに回復不可能なダメージが入り、動作が不安定になる不具合がありました。どうやら高負荷時に想定以上の電圧で稼働してしまうことが原因と言われています。

2024年10月現在では問題回避用のBIOSが提供されており、一応は解消の兆しを見せてはいますが、気になる人は避けた方が賢明かと思います。

ただし、個人的な意見としては、K無しモデルではほとんど問題の報告例が無かったりすることや(最大クロック=電圧が低いことが恐らく要因)、該当の問題発生や新世代の登場で価格がかなり魅力的になっている点があるので、チップセットが切り替わることが気にならないなら、個人的には無しではないと思っています。

各モデルの評価一覧

各モデルの各項目の性能の筆者が★1~5で評価したものです。ゲーム性能は高性能GPUと併用時の場合です。ミドルレンジ以下のGPUの場合にはCPUがボトルネックになりにくいので、表の評価ほどの差は出ない点を留意してください。

総合ざっくり評価
CPU名
マルチ
スレッド
シングル
スレッド
ゲーム
消費電力
発熱
NPU内蔵GPU
※Fは非搭載
Core Ultra 9
Core Ultra 9(200)
24コア(8P+16E)
24スレッド
★5.0★4.75★4.5★1.5~13TOPS★3.5
Core i9(第14世代)
24コア(8P+16E)
32スレッド
★5.0★4.75★4.75★1.0無し★2.0
Core Ultra 7
Core Ultra 7(200)
20コア(8P+12E)
20スレッド
★4.5:K★4.75★4.25★2.5:K
★3.75:K無し
~13TOPS★3.5
Core i7(第14世代)
20コア(8P+12E)
28スレッド
★4.5:K
★4.25:K無し
★4.5★4.75:K
★4.5:K無し
★1.25:K
★3.75:K無し
無し★2.0
Core Ultra 5 ロゴ
Core Ultra 5(200)
14コア(6P+8E)
14スレッド
★4.0:K
★4.25:K無し
★4.5★4.0★3.0:K
★4.0:K無し
~13TOPS★3.5:245
★3.0
:235
Core i5 14コア
(第14世代)

14コア(6P+8E)
20スレッド
★4.0:K
★3.75
:K無し
★4.25:K
★4.0
:K無し
★4.25:K
★3.75
:K無し
★2.75無し★2.0
Core Ultra 5 ロゴ
Core Ultra 5(200)
10コア(6P+4E)
10スレッド
★3.25★4.25★4.0★4.25~13TOPS★2.5
Core i5 10コア
(第14世代)

10コア(6P + 4E)
16スレッド
★3.25★4.0★3.75★4.0無し★1.75
Core i3(第13世代)
4コア8スレッド
★2.0★3.75★3.0★4.5無し★1.75
※ゲーム性能はハイエンドGPUと併用した場合のもの。

少し詳しめの比較(性能スコアも)

上のざっくり比較では細かい仕様値などは省いて特徴を紹介しましたが、ここでは仕様値やベンチマークや実測テストの結果なども含めて、少し詳しめに比較しています。

主要モデルの簡易比較表

まずは、記事更新時点(2025年2月)の市場で主要なCoreの簡易比較表を下記に載せています。基本的には「Core Ultra 200S」と「第14世代Core」ですが、旧世代でも一部の人気のCPUは載せている場合があります。

ただし、特に電力面については電力設定通りという訳ではないことが多く、表の電力効率もTDP PL2から単純計算したものとなっているため実際とは異なる点に注意。電力面についても後ろで詳しめに触れているので、気になる方はそちらを参照のこと。

末尾Fのモデルは、Fの付かないモデルから内蔵GPUが無効化されたモデルで、Fの付かないモデルとCPUとしての処理性能は基本的に同じです。クロックに関しては見易さ重視でPコアのもののみ記載しています。

CPU名称評価性能
スコア
コアスレッドTDPクロック
定格 / 最大
電力
効率
コスパ参考価格
PコアEコア合計基本最大
Core Ultra 9 285K
67,890
816
24
24125W250W3.7 / 5.7GHz112,800円
Core i9-14900K
59,000
816
24
32125W253W3.2 / 6.0GHz79,780円
Core i9-14900KF
59,000
816
24
32125W253W3.2 / 6.0GHz76,980円
Core Ultra 7 265K
58,700
812
20
20125W250W3.9 / 5.5GHz66,980円
Core Ultra 7 265KF
58,700
812
20
20125W250W3.9 / 5.5GHz62,980円
Core i7-14700K
53,100
812
20
28125W253W3.4 / 5.6GHz58,880円
Core i7-14700KF
53,100
812
20
28125W253W3.4 / 5.6GHz55,480円
Core Ultra 7 265
48,000
812
20
2065W182W2.4 / 5.3GHz73,800円
Core Ultra 7 265F
48,000
812
20
2065W182W2.4 / 5.3GHz
Core Ultra 5 245K
43,600
68
14
14125W159W4.2 / 5.2GHz48,800円
Core Ultra 5 245KF
43,600
68
14
14125W159W4.2 / 5.2GHz46,800円
Core i7-14700
42,150
812
20
2865W219W2.1 / 5.4GHz54,980円
Core i7-14700F
42,150
812
20
2865W219W2.1 / 5.4GHz49,800円
Core Ultra 5 235
40,460
68
14
1465W121W3.4 / 5.0GHz44,800円
Core i5-14600K
38,750
68
14
20125W181W3.5 / 5.3GHz39,980円
Core i5-14600KF
38,750
68
14
20125W181W3.5 / 5.3GHz36,000円
Core i5-14500
31,350
68
14
2065W154W2.6 / 5.0GHz37,480円
Core Ultra 5 225
31,510
64
10
1065W121W3.3 / 4.9GHz41,980円
Core Ultra 5 225F
31,510
64
10
1065W121W3.3 / 4.9GHz38,980円
Core i5-14400
25,460
64
10
1665W154W2.5 / 4.7GHz28,480円
Core i5-14400F
25,460
64
10
1665W148W2.5 / 4.7GHz22,980円
Core i5-12400
19,360
60
6
1265W117W2.5 / 4.4GHz22,880円
Core i5-12400F
19,360
60
6
1265W117W2.5 / 4.4GHz17,800円
Core i3-14100
15,310
40
4
860W89W3.4 / 4.5GHz19,580円
Core i3-14100F
15,310
40
4
858W89W3.4 / 4.5GHz13,780円
参考:Passmark

末尾の意味

K:オーバークロック可能モデル
クロック周波数を従来より引き上げる事が可能なモデル。しかし、オーバークロックは想定されていない発熱の増加が懸念されるため、基本的には非推奨。ただし、オーバークロックをしなくても、無印版より定格やTB時の周波数が高くなっており、オーバークロックを利用しなくても性能が高いので、オーバークロックをする気が無くても、ただの高性能モデルとして扱える。

F:内蔵GPU(iGPU)が無効化モデル
CPU自体に画面出力機能を含むグラフィック機能がないため、別途GPUが必須となる。価格が少し安い。

各指標の説明

評価:筆者の主観によるオススメ度を表しています。主に性能と価格から判断しています。

性能スコア:CPUのベンチマークで有名なPassmarkのスコアです。総合性能を測るテストですが、マルチスレッド性能が高い(=コア数が多い)ほど高いスコアが出る傾向があります。

クロック:CPUのクロック周波数です。見易さ重視でPコアのみ掲載しています。高負荷時には全コアが記載の最大クロックまで上がる訳ではないので注意。

TDP:熱設計電力です。CPUの消費電力や発熱の目安となる指標です。長期的に維持する電力はK無しモデルはベース電力(~65W)、K付きは最大ターボ電力(~253W)となっています。

コア:CPUが実際に処理を行う部品の名称です。コア数が多いほど発熱が多くなる傾向があります。
スレッド:ざっくりいうと、コアが行う仕事を表します。原則は、1コアにつき1スレッドですが、ハイパースレッディング・テクノロジーという技術により、1コアを疑似的に2コアに見せることで、1コアにつき2スレッドを実現したCPUも今では珍しくありません。

電力効率:1Wあたりの性能スコアです。

コスパ:1円あたりの性能スコアです。

参考価格:CPUの現在の価格の参考です。記事更新時点での、価格.comやAmazonなどの最安値となっています。最終更新は2024年10月29日です。

マルチスレッド性能

マルチスレッド性能は全コア稼働時の処理性能のことで、コア・スレッド数が多い方が有利な傾向があります。ゲーム性能と必ず関連がある訳ではない点に注意(ゲーム性能比較は後述)。

下記にレンダリングのベンチマークであるCinebench 2024での比較表を載せているので、参考までにご覧ください。対抗のAMDの数値も併せて載せています。

Cinebench 2024 Multi
CPU名称スコア
Core Ultra 9 285K
2448
Ryzen 9 9950X3D
2417
Ryzen 9 9950X
2305
Core i9-14900K
2257
Core i9-13900K
2187
Ryzen 9 7950X
2142
Ryzen 9 7950X3D
2094
Core Ultra 7 265K
2090
Core i7-14700K
1950
Ryzen 9 9900X
1829
Core i7-13700K
1713
Ryzen 9 7900X
1668
Core i9-12900K
1589
Ryzen 9 5950X
1535
Core Ultra 5 245K
1492
Core i5-14600K
1410
Core i5-13600K
1322
Core i7-12700K
1312
Ryzen 9 5900X
1258
Ryzen 7 9700X
1208
Ryzen 7 7700X
1149
Ryzen 7 7700
1106
Ryzen 7 7800X3D
1104
Core i5-12600K
1023
Ryzen 5 9600X
975
Ryzen 5 7600X
886
Ryzen 7 5800X3D
885
Ryzen 5 7600
849
Core i5-13400F
837
Ryzen 7 5700X
826
Core i5-12400F
679
Ryzen 5 5600X
676
参考:TechPowerUp

ゲーム性能(ハイエンドグラボ利用時)

高性能なGPU(グラフィックボード)と併用した際のCPUのゲーム性能のテスト結果を載せています。重量級ゲームが中心です。対抗のAMDの数値も併せて載せています。

ただし、より低い性能のグラフィックボードを使用する場合にはCPUによって差は生じにくくなる他、非常に軽いゲームの場合は、マルチスレッド性能が重要になったりする点も留意してください。ゲームによって差が出るので、参考までにご覧ください。

10種類のゲームでの平均fps(1080p)
CPU名称スコア
Ryzen 7 9800X3D
208.6
Ryzen 7 7800X3D
193.1
Core i9-14900K
186.3
Ryzen 9 7950X3D
186.1
Core i9-13900K
185.1
Core i7-14700K
182.5
Core i7-13700K
181.1
Ryzen 9 9950X
180.0
Ryzen 7 9700X
178.4
Ryzen 9 9900X
178.2
Ryzen 5 9600X
177.5
Ryzen 9 7950X
177.0
Core Ultra 9 285K
176.3
Ryzen 7 7700X
175.9
Ryzen 9 7900X
175.2
Ryzen 7 7700
174.8
Ryzen 5 7600X
173.2
Core i5-14600K
172.9
Core Ultra 7 265K
172.1
Ryzen 7 5800X3D
171.7
Core i5-13600K
170.1
Core i9-12900K
168.7
Core Ultra 5 245K
167.1
Core i7-12700K
164.2
Ryzen 9 5950X
158.2
Ryzen 9 5900X
156.2
Core i5-12600K
153.4
Ryzen 7 5700X
147.5
Ryzen 5 5600X
147.1
Core i9-11900K
146.6
Core i5-13400F
145.9
Core i5-12400F
142.7
Ryzen 7 5700G
128.7
Core i5-11400F
114.9
参考:TechPowerUp

消費電力

ここでは消費電力の実測値を載せています。全コア稼働時(レンダリング)と、ゲーム時の2つの平均消費電力です。対抗のAMDの数値も併せて載せています。

消費電力(13ゲーム平均)
CPU名称消費電力
Core i5-12400F
40
Ryzen 7 7800X3D
46
Ryzen 5 5600X
47
Core i5-13400F
48
Ryzen 7 5700X
49
Ryzen 7 5800X3D
58
Ryzen 7 7700
60
Core Ultra 5 245K
61
Core i5-12600K
61
Ryzen 7 9800X3D
65
Ryzen 5 9600X
66
Ryzen 5 7600X
66
Ryzen 9 7950X3D
68
Ryzen 7 7700X
70
Ryzen 9 7900
71
Ryzen 7 9700X
71
Core i7-12700K
74
Core i5-14600K
76
Core Ultra 7 265K
77
Core i5-13600K
79
Core Ultra 9 285K
94
Ryzen 9 5900X
98
Core i9-12900K
98
Ryzen 9 9900X
100
Core i7-13700K
102
Ryzen 9 9950X
104
Ryzen 9 7900X
104
Ryzen 9 5950X
108
Core i7-14700K
116
Ryzen 9 7950X
116
Core i9-13900K
145
Core i9-14900K
149
参考:TechPowerUp
消費電力(Blender CPUのみ)
CPU名称消費電力
Ryzen 7 5700X
56
Ryzen 5 5600X
60
Core i5-12400F
63
Core i5-13400F
65
Ryzen 7 7800X3D
74
Ryzen 9 7900
74
Ryzen 7 7700
80
Ryzen 5 9600X
80
Ryzen 7 9700X
80
Ryzen 7 5800X3D
89
Ryzen 5 7600X
102
Ryzen 9 5950X
117
Core i5-12600K
119
Ryzen 9 5900X
133
Core Ultra 5 245K
134
Ryzen 7 7700X
135
Core i5-13600K
139
Core i5-14600K
145
Ryzen 9 7950X3D
147
Ryzen 7 9800X3D
155
Core Ultra 7 265K
155
Core i7-12700K
164
Ryzen 9 9900X
173
Ryzen 9 7900X
197
Ryzen 9 9950X3D
203
Core i7-13700K
212
Ryzen 9 9950X
220
Core i7-14700K
222
Core Ultra 9 285K
235
Core i9-12900K
237
Ryzen 9 7950X
260
Core i9-13900K
279
Core i9-14900K
281
参考:TechPowerUp

価格比較

価格比較です。上位モデルの方が高価になるのはもちろんのこと、不具合があった旧世代の「第14世代Core」の人気が低下し、価格が大幅に下落している点にも注目です。下記が2024年12月時点のおおよその市場価格です。

価格(2025年1月時点)
Core Ultra 200S第14世代Core
CPU価格Core Ultra 9:~11.3万円
Core Ultra 7:~6.7万円
Core Ultra 5:~4.8万円
Core i9:7.5~8万円
Core i7:5~5.8万円
Core i5:2.5~4万円
Core i3:1.4~2万円
マザーボード
※人気製品
2万円~
B860~Z890
1.2~2.5万円
H610~Z790

Core Ultra 200も希望小売価格自体は前世代と同水準を維持しているので、時間が経てば差は縮まっていくものと思われますが、状況によってはかなりの期間待つ必要も出てくるので、そこと予算の兼ね合いを判断する必要があります。

更に、「Core Ultra 200S」の方がマザーボードが2025年1月時点では少し高価な傾向があるので、合計費用では意外と大きな差が出ます(先代モデル同士の比較でおおよそ2~3万円ほどの差)。

NPUとGPU

CPU以外のプロセッサー、NPU(AI処理用)と内蔵GPU(主にグラフィック処理用)についてです。こちらもモデルナンバーではなく世代間の違いですが、決め手になり得る可能性もある部分なので触れておきます。

2025年2月時点の搭載状況と性能は以下のようになっています。

Core Ultra 200S第14世代Core
NPU
ピーク性能
搭載
(~13TOPS)
非搭載
内蔵GPU
性能スコア※
Intel Graphics(2/ 3 / 4コア)
1,000 / 1,870 / 2,330 前後
245K~:4コア
235:3コア
225:2コア
UHD 730 / 770
700~800
※3DMark Time Spy Graphicsのスコア。DirectX 12の1440pゲーム性能。

NPUとGPUどちらについても「Core Ultra 200S」の方が有利なのがわかります。

特に、NPUはCore Ultraになって初めて搭載されたので、明確な優位性です。ただし、ピーク性能は最大13TOPSということで高性能ではありません(Intelはそれでも多くのアプリケーションで活用できるとしている)。また、ゲーミングPCでは高性能なグラボが搭載されており、基本的にはそちらでもAI処理は可能なので、モバイルデバイスほどNPUは重要でない点も留意しておく必要があります。明確な優位性ですが、実用的には恩恵がないケースも多いです。

次に、内蔵GPUは先代からなんと最大3倍近くの性能になりました。おかげで軽いゲームなら非常に快適に動作することが可能になりましたし、軽い動画編集等にも使える性能となりました。

下位の2コアモデル(225/225F 搭載)でも先代よりは高い性能を持っていますし、効率も向上しているので、久しぶりにGPU性能が大きく向上しています。

グラボを搭載するゲーミングPCならほとんど恩恵はないですが、グラボ無し運用を考えている方には嬉しい要素です。

内蔵GPUの強さだけなら「Ryzen 8000G(例:Ryzen 7 8700G)」というモデルがあり、そちらの方が強力ではあるので、一番ではないものの、そちらはグラボでのゲーム性能がやや低かったり、PCIeレーン数が少ないなどの制約があるので、汎用性も求めた上ならCoreにも優位性があります。

各モデルの特徴【3 / 5 / 7 / 9】

ここからは、「Core Ultra 200S」、「第14世代Core」の「3 / 5 / 7 / 9」各モデルの特徴をそれぞれざっくり解説しています。

ゲーミング性能は高性能なグラボ搭載時のもの

「CPUのゲーミング性能」は基本的に「高性能なグラフィックボードを使用した場合」のものを指しています。CPUの内蔵GPU(iGPU)の性能を示すものではないため、注意してください。


共通の差:NPUとGPUについて(Ultraの方が有利)

NPU(AI処理用のユニット)とGPUについて、「Core Ultra 200Sシリーズ」と「Core iシリーズ」ではモデルナンバーではなく世代間共通の差があるので始めに触れておきます。

まず、NPUです。従来の「Core iシリーズ」ではAI用のNPUが搭載されていませんでしたが、「Core Ultra」から搭載されるようになりました。

200SシリーズのNPUは高性能ではないですが(最大13TOPS)、Intelはそれでも多くのアプリケーションで活躍できると主張しています。実は、ゲーミングPCではNPUはモバイルデバイスほどは重要ではないですが(GPUも高いAI性能を持っていることが多いため)、それでもAI処理に関しては非常に優れた効率を持っていますし、GPUからAI処理をある程度切り離せるという点で、「Core i」には無かった明確な優位性です。

次にGPUです。こちらもゲーミングPCでは重要ではありませんが、「Core Ultra」で大きく向上しました。

第14世代→Ultra 200では約3倍という飛躍的な向上となっており、軽いゲームなら非常に快適なレベルになりました。グラボをとりあえずは無しで運用してみたい人には嬉しい向上です。

Core Ultra 9 / i9:性能特化のハイエンドモデル

マルチスレッド ★5.0 | ゲーム ★4.5★4.75 | 発熱・消費電力 ★1.0★1.5 | 価格 ★1.25

良い点
  • 24コアによる圧倒的なマルチスレッド性能
  • 非常に優れたシングルスレッド性能
  • 非常に優れたゲーム性能(Core i9)
  • NPU搭載(Core Ultra 9)
  • 優れた内蔵GPU(Core Ultra 9)
気になる点
  • 非常に高価(約8万円~)
  • 消費電力・発熱がものすごく多い(K無しは省電力)
  • 「Core Ultra 9」は競合に少し劣るゲーム性能

総合ざっくり評価
CPU名
マルチ
スレッド
シングル
スレッド
ゲーム
消費電力
発熱
NPU内蔵GPU
※Fは非搭載
Core Ultra 9
Core Ultra 9(200)
24コア(8P+16E)
24スレッド
★5.0★4.75★4.5★1.5~13TOPS★3.5
Core i9(第14世代)
24コア(8P+16E)
32スレッド
★5.0★4.75★4.75★1.0無し★2.0
※ゲーム性能はハイエンドGPUと併用した場合のもの。

処理性能は非常に高いが、消費電力と発熱面が気になるハイエンドCPU

「Core Ultra 9(200)」および「第14世代Core i9」は24コア(8P+16E)を搭載し、圧倒的なマルチスレッド性能を発揮するハイエンドCPUです。Intelの主流CPUとしては最上位のCPUになります。

「9」モデルの魅力は、やはり何といっても24コアによる圧倒的なマルチスレッド性能です。とにかく高い処理性能を必要とする、重いマルチスレッド処理を日常的に行う人にとって非常に魅力的なCPUとなります。

マルチスレッド性能以外でもその処理性能は基本的にトップクラスです。シングルスレッド性能やゲーム性能(ハイエンドGPU使用時)も素晴らしいです。そのため、予算が潤沢で色々調べるのが面倒という人が雑に選ぶケースも多いと思います。

ただし、「Core Ultra 9」については先代よりも少しゲーム性能が少し低下しており、トップクラスというほどではなくなったしまった点に注意が必要です。ゲーム性能だけを求めるなら先代のCore i9(Core i9-14900K)の方が少し強いです。

若干のゲーム性能低下と引き換えに、NPUを搭載し、電力面が改善した点をどこまで評価するか、という感じですが、これは人によるので難しい点です。

その他のデメリットとしては、処理性能の高さの代わりに価格は非常に高価(8万円~11万円台)で、消費電力と発熱が非常に多い点が挙げられます。

特に電力面については要注意です。K付きモデルの最大ターボ電力は250W~となっており非常に高い上、冷却に余裕があれば少し負荷を上げる機能が「9」では標準で有効となっていることもあるので、更に増加する可能性もあります。性能を最大限引き出すためには冷却性能が非常に高いクーラーが必要となる点は十分に留意しておく必要があります。最低でも240mm以上の水冷が推奨され、BTOなどでは大体360mm水冷が標準となっていることが多いと思います。

また、その消費電力の多さから、マザーボードもVRMが強力なものが望ましい他、電源高容量かつ高品質なものが求められるので、CPU以外でも追加費用が求められるため、Core i7以下と比べると導入費用に大きな差が出る点は留意しておく必要があります。

圧倒的なコア数のおかげでマルチスレッド性能コスパは悪くはないため、とにかく性能重視なら有力な選択肢ではありますが、やはり気軽には手を出しにくいです。

また、「9」の処理性能はどの方面から見てもCoreシリーズでトップなのは確かですが、Core i7に対して大きな優位性があるのはほぼマルチスレッド性能のみという点も留意しておくと良いです。

特に注目なのはゲーム性能で大差が無い点です。先にも軽く触れましたが、ゲーム性能に貢献するのは基本Pコアのみで、8コア程度あれば十分と言われています。そして、2024年10月時点の主流モデルだと、「9」と「7」のPコアの数は全て同じ8なので、大きな差が付きにくいです。

クロックやキャッシュ容量のわずかな増加によるゲーム性能向上はあるものの、差は小さいですし、特にクロック増加は消費電力や発熱の増加と引き換えの性能向上ですから、一概に褒められるものでもないです。

「7」の価格は「9」よりも大体3万円前後も安いですし、ほとんどの人にとっては「7」でもマルチスレッド性能は十分だと思うので、ゲームメインであれば実用コスパは基本「7」の方が上という点は覚えておいて損は無いかなと思います。


Core Ultra 7 / i7:コスパも優れた高性能モデルの定番

マルチスレッド ★4.25★4.5 | ゲーム ★4.25★4.75 | 発熱・消費電力 ★1.25★3.75 | 価格 ★1.75★2.5

良い点
  • 20コアによる非常に優れたマルチスレッド性能
  • 非常に優れたマルチスレッド性能コスパ
  • 非常に優れたシングルスレッド性能
  • 非常に優れたゲーミング性能(Core i7)
  • 「9」と大差ないゲーム性能(Pコアの数が同じ)
  • NPU搭載(Core Ultra 7)
  • 優れた内蔵GPU(Core Ultra 7)
  • K無しモデルは省電力
気になる点
  • 高価(約5万円~7万円)
  • 発熱・消費電力が多い(K無しは省電力)
  • 「Core Ultra 7」は競合にやや劣るゲーム性能

総合ざっくり評価
CPU名
マルチ
スレッド
シングル
スレッド
ゲーム
消費電力
発熱
NPU内蔵GPU
※Fは非搭載
Core Ultra 7
Core Ultra 7(200)
20コア(8P+12E)
20スレッド
★4.5:K
★4.25:K無し
★4.75★4.25★2.5:K
★3.75:K無し
~13TOPS★3.5
Core i7(第14世代)
20コア(8P+12E)
28スレッド
★4.5:K
★4.25:K無し
★4.5★4.75:K
★4.5:K無し
★1.25:K
★3.75:K無し
無し★2.0
※ゲーム性能はハイエンドGPUと併用した場合のもの。

優れたマルチスレッド性能コスパとゲーム性能が魅力。高コスパ高性能CPUの定番

「Core Ultra 7(200)」および「第14世代Core i7」は、20コア(8P+12E)を搭載し、非常にマルチスレッド性能を発揮する高性能CPUです。

そして、「7」モデルは、昔から迷ったらCore i7と言われることもあるほど、高性能CPUの安定択として常に高い人気を誇っている人気モデルです。ゲーミング性能が「9」と大差なく高い点も人気の要因の一つです(現状のゲームはPコアが8あれば十分と言われているため)。

実際に、ほとんどの時期において競合モデルよりもコスパは優れていることが多いため、雑におすすめできるのが「7」です。

ただし、ゲーム性能について、「Core Ultra 7(200)」については先代よりも少しゲーム性能が少し低下してしまい、競合シリーズ(Ryzen 9000)にもやや劣る性能となった点に注意が必要です。

NPUを新規で搭載し、電力面が改善しているため、下位互換という訳ではありませんが、ゲーム性能と引き換えにそれらの点が向上する点をどこまで評価するか、という感じです。

正直、大体の人はゲーム性能を重視したいので微妙で不人気になっているというのが現状(2025年1月時点)ですが、一応は人による点なので、詳しくは触れずに各々の判断に任せて次へいこうと思います。

その他のデメリットとしては、やはり価格が高価である点がまず挙げられます。2025年2月時点では、約5万円~7万円という価格になっており、「9」ほどではないものの非常に高価です。

また、K無しモデルは省電力ですが、K付きは消費電力(発熱)が非常に多い点も注意が必要です。基本の電力設定は「9」と同様というレベルなので、性能を最大限引き出すためには240mm以上の水冷が推奨です。

一応、「Core Ultra 7 265K」はK付きでも電力面が改善しており、実測値では数値上は高性能な空冷クーラーでも一応なんとかなるようになっているので、挑戦してみても良いですが、万が一を避けるために最大電力設定は下げておくことを推奨します。

また、K無しの性能はK付きと比べると低くなってしまうものの、BIOS等の設定からTDP PL2の最大値(14700なら219Wまで)までは制限値を引き上げることも可能なので(保証外にはなるので自己責任)、場合に応じてある程度は負荷を上げることも可能です。


Core Ultra 5 / i5:安さとコスパが魅力のミドルレンジCPU

マルチスレッド ★3.25★4.0 | ゲーム ★3.75★4.25 | 発熱・消費電力 ★2.75★4.0 | 価格 ★2.5★4.0

良い点
  • 10~14コアによる優れたマルチスレッド性能
  • 比較的安価(2.5万円前後~)
  • 優れた実用コスパ
  • K無しは発熱・消費電力が少ない(K付きはやや多いけど空冷でもいける)
  • ゲーム性能は上位モデルに劣るけど、ハイエンドGPUじゃなければ気にならない
  • NPU搭載(Core Ultra)
  • 優れた内蔵GPU(Core Ultra 5 235~)
気になる点
  • 「7」以降に大きく劣るマルチスレッド性能
  • 「7」以降にやや劣るゲーム性能(ハイエンドGPUにはやや不向き)
  • 「Core Ultra 5」は競合に劣るゲーム性能

総合ざっくり評価
CPU名
マルチ
スレッド
シングル
スレッド
ゲーム
消費電力
発熱
NPU内蔵GPU
※Fは非搭載
Core Ultra 5 ロゴ
Core Ultra 5(200)
14コア(6P+8E)
14スレッド
★4.0:K
★3.75:K無し
★4.5★4.0★3.0:K
★4.0:K無し
~13TOPS★3.5:245
★3.0
:245
Core i5 14コア
(第14世代)

14コア(6P+8E)
20スレッド
★4.0:K
★3.75
:K無し
★4.25:K
★4.0
:K無し
★4.25:K
★3.75
:K無し
★2.75:K
★4.0:K無し
無し★2.0
Core Ultra 5 ロゴ
Core Ultra 5(200)
10コア(6P+8E)
10スレッド
★3.25★4.5★4.0★4.25~13TOPS★2.5
Core i5 10コア
(第14世代)

10コア(6P + 4E)
16スレッド
★3.25★4.0★3.75★4.0無し★1.75
※ゲーム性能はハイエンドGPUと併用した場合のもの。

※10コアモデルと14コアモデルで性能に大きな差があるので、別々に見ていきます。

14コアモデル:安価で優れたマルチスレッド性能コスパだけど、「7」との価格差が小さい

「Core Ultra 5(200)」および「第14世代Core i5」はの上位モデルは、14コア(6P+8E)を搭載し優れたマルチスレッド性能を発揮します。十分ハイエンドな用途にも対応できる性能があります。

それでいて価格は4万円未満のものもあるので、マルチスレッド性能コスパが非常に優れているのが大きな強みです。

ただし、「7」の下位モデルとの価格差が1万円~程度しかないのが気になるところです。

「5」モデルはPコアが6コアですが、「7」では8コアになるため、最大のマルチスレッド性能差は大きく、一部のゲームやハイエンドGPUとの併用時にはゲームでもやや差が出ることもあります。

そのため、カタログスペックから見た性能やコスパだけで見れば優秀ですが、実用コスパ的なところで良い評価が得られないことが多いのが14コアモデルです。

ただし、消費電力が「7」以降よりもマイルドになっているのは強みです。K付きでも空冷で対応が可能なレベルです(高性能なものが必要にはなるけど)。

また、「7」以降と同様に「Core Ultra 5(200)」が「第14世代のCore i5(K付き)」よりもゲーム性能が少し下がっているという問題はあるものの、この問題はGPUの性能が低い(fpsが低い)ほど気にならないか無視できるレベルになるので、低価格~ミドル機の採用が主流の「5」モデルではそこまで気にする必要がないため、ネックに感じにくいです。

なのですが、記事更新時点(2025年2月)ではCore Ultra 200Sシリーズはマザーボードが高価なので、14世代と比較すると合計費用では高価になってしまうため、安さ重視で有力になるためにはもう少し値下がりするのを待つ必要がある点は注意が必要です。

総評としては、実用コスパでいえば全然悪い選択肢ではないですし、その需要の低さから価格が大きく下がることもたまにあるので、頭の片隅に置いておくと良いかもしれません。

10コアモデル:安くて実用コスパに優れる、低価格ゲーミングPCの定番

「5」の下位モデル(2025年2月時点)は、10コア(6P+4E)を搭載し、安価ながら優れたマルチスレッド性能を発揮するミドルレンジCPUです。

最安2.5万円前後という安価さながら10コアを持ち、重めの処理でも使える高性能さが魅力です。その安さのおかげで実用コスパが良く、低価格ゲーミングPCの定番CPUとしてよく見掛けるモデルとなっています。

また、従来から「5」の下位モデルにはK付きが存在せず、最大クロックも低めなので、消費電力や発熱が少ないです。やや小型の空冷クーラー1基でも冷却が間に合うレベルなので、細かいことや騒音を気にしたくないライトユーザーにとっては嬉しいです。

デメリットとしてはやはり、上位モデルとの性能差が大きいことが挙げられます。特に「7」以降と比べるとコア数差が大きいため、マルチスレッド性能は圧倒的に劣ります。

更に、最大クロックの低さやキャッシュ容量の少なさから、ゲーム性能でも上位モデルには大きめに劣るのも気になる点です。ただし、この問題はGPUの性能が低い(fpsが低い)ほど気にならないか無視できるレベルになるので、ハイエンドGPUが採用されることがほとんどない「5」モデルではそこまで気にする必要がないとも思います。

「7」と比較してマルチスレッド性能の差は大きいものの、ゲームがメインのほとんどの人にとっては大きなネックになるほどではないので、低価格高コスパゲーム用CPUとしては優秀な選択肢です。定番になるのもわかるCPUだと思いますし、Intelもそれを狙っていると思うので、今後も似たような立ち位置を保っていくのではないかと思います。

ちなみに、第13・14世代CoreのCore i5 の下位モデルより下のモデルは、Pコアの仕様が実は12世代を引き継いでいたりして、ゲーム性能が低かったので、他モデルでは低下が見られた「Core Ultra 200」のゲーム性能の低さも「Core i5-14400」VS「Core Ultra 5 225」での比較なら大差ないため、選び易いです。

価格的にハイエンドGPUと組み合わせることもほとんど無いと思うので、他の「Core Ultra 200シリーズ」よりもゲーム性能で避ける理由がないのは嬉しいかもしれません。

ただし、記事更新時点(2025年2月)ではCore Ultra 200Sシリーズはマザーボードが高価なため、14世代と比較すると合計費用では高価になってしまうため、結局安さ重視ではまだ第14世代(14400)の方が強力となっています。しかし、値下がりすれば十分にコスパ最強候補になれる素質はあると思うので、市場を見守りたいところです。


Core i3:安価だけど性能不足が気になる

マルチスレッド ★2.0 | ゲーム ★3.0 | 発熱・消費電力 ★4.5 | 価格 ★4.5

良い点
  • 非常に安価(1万円台~2万円前後)
  • 軽作業前提なら十分な性能
  • 消費電力・発熱が非常に少ない
気になる点
  • マルチスレッド性能が低くて重い処理に向かない(4コアのみ)
  • ゲーミング性能が低い(5以降に大きく劣る)

総合ざっくり評価
CPU名
マルチ
スレッド
シングル
スレッド
ゲーム
消費電力
発熱
NPU内蔵GPU
※Fは非搭載
Core i3(第14世代)
4コア8スレッド
★2.0★3.75★3.0★4.5無し★1.75
※ゲーム性能はハイエンドGPUと併用した場合のもの。

コスパ重視なら「5」以上がおすすめ

Core i3はコア数が少なく性能が低い代わりに価格が安いエントリーモデルです。最新モデルでも最高で2万円前後に留まる安さで、「5」の最下位モデルと比べても1万円~1.5万円も安価なのが強みです。

消費電力も少ないため扱いやすいですが、コアが4つしかないためマルチスレッド性能がCore i5以上に圧倒的に劣るのがデメリットです。重い処理には向かない、軽作業前提のCPUです。

Webブラウジングやオフィス作業などなら十分な性能を持っているので、それらの用途がメインのライトユーザーやビジネス用途での採用が主なモデルです。消費電力と発熱も少ない点は省スペースPCなどでも採用しやすいのもライト用途に向いている要素の一つです。

数値だけ見たコスパ自体は悪くはないのですが、やはり上位モデルと比べると重い処理への対応力が大幅に低いのが致命的です。1万円~1.5万円の追加費用で「Core i5」を選ぶことができ、そちらでは重い処理への対応力が圧倒的に高まっているので、実用コスパは明らかに負けています。

最近ではミドルレンジGPUでも性能が上がっていることもあり、ゲームでもボトルネックになり易いため、ゲーミングPCでの採用にも向きません(実際ほとんど採用されません)。

軽作業に限ればメリットも感じることができるモデルではあるものの、出来れば「Core i5」以上をおすすめしたいです。

その他参考

その他の参考情報です。知っておいて損はないと思うので、よろしければご覧ください。


オーバークロック(OC)

オーバークロック(OC)とは、CPUに標準で設定されている動作クロックよりも高い値を設定して、性能を本来を引き上げることです。引き換えに消費電力や発熱が多くなるデメリットがあります。また、基本的にオーバークロックは保証の範囲外の動作となる点も注意です。基本的には実用性を考慮して使用するものというよりは、一部のPC好きの人が好奇心のために利用する機能になっています。

Intel製の主流CPUの場合、末尾(接尾語)に「K」が付くCPUは「オーバークロック(OC)」が可能となっています。ただし、オーバークロックを利用しない場合でも、定格のクロックがK付きモデルの方が高く、K無しモデルよりは高性能であることが基本のため、オーバークロックしないならK無しの方が良いとは限らない点は注意です。

また、デスクトップ向けのCore i9では基本的に、温度に余裕があると判断できる場合には、本来の設定よりも少しクロックを引き上げる機能、いわゆる「自動オーバークロック機能」が標準搭載されていることが多いです(Adaptive Boost TechnologyやThermal Velocity Boostなど)。


CPUクーラー

CPUはクーラーによる冷却が重要です(ノートPCやタブレット向けのCPUではファンレス駆動向け製品もありますが)。

CPUの冷却が間に合わないと「サーマルスロットリング」という機能が働き、クロックを下げることで低温化を図るため、性能が低下したり動作が不安定になる恐れがあります。そのため、CPUの消費電力に合わせたクーラーを導入することが重要です。

Intel製CPUではTDPが65W以下のモデルではクーラーが付属していますが、基本的に性能は良くないので別のものを使用することが望ましいです。BTOパソコン等では、何もしなくても何かしらのクーラーが搭載されていますが、コスト削減のため冷却性能が十分でないクーラーを標準採用しているケースも多いです。事前に確認しておきましょう。

また、空冷クーラーはPCケース内部の空気を冷却に使用するため、PCケースのエアフロー(排熱性)も非常に重要ということも頭に入れていきましょう。

推奨CPUクーラーのざっくりとした目安を表にまとめています。参考までにご覧ください。

クーラーの目安(Core Ultra 200、第14世代Core)
CPU推奨クーラー
Core Ultra 9(K)
Core i9(K)
Core i7(K)
簡易水冷
(280mm以上のラジエーター)
Core Ultra 7(K)
Core Ultra 5(K)
Core i5(K)
簡易水冷
(240mm以上のラジエーター)
大型空冷
(120mm以上のファン2基 or 140mmのファン1基)
Core Ultra 5~9(K無し)
Core i5~i9(K無し)
簡易水冷
(120mm以上のラジエーター)
空冷
(120mm以上のファン1基以上)
Core i3付属クーラー(BOX)
空冷
(92mm以上のファン1基以上)


記事はここまでになります。ご覧いただきありがとうございました。
また、CPUのその他の情報に関しては、下記の記事も参考になるかもしれません。良ければご覧ください。

CPUとは?【なるべくわかりやすく解説】

7 COMMENTS

あかりあ

説明がとてもわかり易かったです。
最初は10900kを使おうと思っていたのですが11700kのほうが良いということがわかってよかったです

返信する
ゲームPC興味ある

とても分かりやすい記事をありがとうございます。
当方corei7 9700KFというモデルを使っています。
マザーボードがオーバークロックできないものでKのものでなくてもよかったかなと思いましたがベースのものよりも性能高いんですね。この記事に出会わなければわからなかったことです。あと内臓GPU非搭載というのは何かデメリットなどはあるのでしょうか。わたしのPCにはグラフィックボード積んでいます。

返信する
とねりん

内蔵GPU非搭載のデメリットは、グラフィックボードを利用する前提ならほぼ無いと思います。
強いていうなら、グラフィックボードが故障して使えなくなった際に画面が表示する事ができない事や、グラフィックボードを搭載しにくい超小型PCでの利用が難しいというくらいだと思います。
追記:内蔵GPU非搭載モデルではQSVエンコードを利用する事ができません。恐らく大丈夫とは思いますが、積んでいるグラフィックボードがハードウェアエンコード未対応だった場合には困る可能性はあります。

返信する
とねりん

いいえ、必ずしもそうではありません。ですが、”Intelの主流CPU”内なら、基本的にその認識でも構わないです。

「Core X(Extreme Edition)」というシリーズは末尾がXでOC可能ですが、非常に高価かつ消費電力が多いため一般向けではありませんし、以前に末尾CのCPUでOC対応のものがありましたが、現在は恐らく廃止されている、など例外はあります。

また、AMD製のCPUでは末尾Kは関係なく、無印でもOCに対応していたりします。

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通りすがり

Core i3:エントリー~ミドルレンジ の説明で
悪い点:消費電力(発熱)が少ない
とありますが、冬場の暖房器具としての性能かな?

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とねりん

確認不足でした。「良い点」の間違いですね。申し訳ございません。訂正いたしました。

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