2019年9月20日に新発売となるiPhone 11と旧世代(XR世代 等)の違いをざっくりと解説しています。最終更新:2019/9/26
主な違い
iPhone 11と前モデルの主な違いについてです。iPhone(スマートフォン)の仕様は、項目が非常に多く一覧にすると見辛いため、主な違いだけを一つずつ抜き出して比較しています。細かい仕様が気になる方は、ページ最下部の比較・参考ページをご覧ください。
価格
iPhone 11は、前モデル(XR等)の時より初登場時の価格が5,000円~10,000円ほど安くなっています。iPhoneは新モデル登場時に旧モデルは値下げされるので、現在は旧モデルの方が安くなっていますが、最新モデルという意味では従来よりも少し安くなっています。
※64GBモデル | 画面サイズ | 価格(現在) | 価格(初登場時) |
---|---|---|---|
iPhone 11 | 6.1インチ | 74,800円 | |
iPhone XR | 64,800円 | 84,800円 | |
iPhone 11 Pro | 5.8インチ | 106,800円 | |
iPhone XS | – | 112,800円 | |
iPhone 11 Pro Max | 6.5インチ | 119,800円 | |
iPhone XS Max | – | 124,800円 |
※現在価格は、2019年9月17日時点でのAppleの公式オンラインストアでの税抜き価格。
CPU
iPhone 11ではCPUがA13 Bionicとなり、性能が向上しています。下記にGeekBench 4のマルチスレッド性能を参考とした比較表を載せています。
CPU | スコア | 搭載端末(例) |
---|---|---|
A13 Bionic | 13269 | iPhone 11/11 Pro/11 Pro Max |
A12 Bionic | 11267 | iPhone XR/XS/XS Max |
A11 Bionic | 10188 | iPhone 8/8 Plus/X |
メモリー容量(RAM)
アップルはメモリー容量を公表はしていません。確定情報ではないので、一応注意してください。
システムメモリー(RAM)は、CPUの作業場とよく表現される非常に重要な部分です。iPhone 11 からは全モデルで増量という形になっています。
モデル | RAM容量 |
---|---|
iPhone 11 | 4GB |
iPhone XR | 3GB |
iPhone 11 Pro | 6GB (2GBはカメラ専用?) |
iPhone XS | 4GB |
iPhone X | 4GB |
iPhone 11 Pro Max | 6GB (2GBはカメラ専用?) |
iPhone XS Max | 4GB |
全モデル増量しています。標準モデルでもついに4GBに到達したのは大きいですね。CPU性能が上がった事も相まって、処理性能はかなり上がりそうです。ただし、11 Pro および 11 Pro Max については、6GBの内2GBがカメラ専用となるとも言われていますので、留意してください。
カメラ
見た目にも影響を与える点で、最も大きな変化といっても良いのがカメラです。iPhone 11では全モデルが複眼カメラとなり、11 Proと11 Pro Maxにおいては3眼カメラとなっています。
モデル | 背面カメラ数 | 背面カメラの画素数 | 前面カメラの画素数 |
---|---|---|---|
iPhone 11 | 2 | 12MP超広角カメラ 12MP広角カメラ | 12MP |
iPhone XR | 1 | 12MP広角カメラ | 7MP |
iPhone 11 Pro | 3 | 12MP超広角カメラ 12MP広角カメラ 12MP望遠カメラ | 12MP |
iPhone XS | 2 | 12MP広角カメラ 12MP望遠カメラ | 7MP |
iPhone X | 2 | 12MP広角カメラ 12MP望遠カメラ | 7MP |
iPhone 11 Pro Max | 3 | 12MP超広角カメラ 12MP広角カメラ 12MP望遠カメラ | 12MP |
iPhone XS Max | 2 | 12MP広角カメラ 12MP望遠カメラ | 7MP |
カメラはかなり違いが出ています。背面カメラ数が、iPhone 11は標準モデルだけ2で他は3となっています。前面カメラはiPhone 11共通で12MPと画素数が大幅に向上しています。カメラ性能は全体的に大幅アップと見て良いでしょう。
ただし、見た目は美しさに欠ける印象を個人的には抱いてしまいます。標準のiPhone 11はカメラ数は2ですが、デザイン設計を流用している?のか不自然にカメラ部が大きめに作られており、無駄な上に見た目も悪く感じてしまいました。
バッテリー性能と重量
アップルはバッテリー容量を公表はしていません。確定情報ではないので、一応注意してください。
iPhone 11では前モデルよりバッテリー持続時間が伸びると共に、重量が増えています。
ビデオ再生時間 | 重量 | バッテリー容量 | |
---|---|---|---|
iPhone 11 | 17時間 | 194g | 3110mAh |
iPhone XR | 16時間 | 194g | 2942mAh |
iPhone 11 Pro | 18時間 | 188g | 3190mAh |
iPhone XS | 14時間 | 177g | 2658mAh |
iPhone 11 Pro Max | 20時間 | 226g | 3500mAh |
iPhone XS Max | 15時間 | 208g | 3174mAh |
※アップル公式サイトを参考
iPhone 11では、全モデルバッテリー容量が増え、バッテリー持続時間が長くなっています。その代わり、標準のiPhone 11以外は重量も増加しています。
バッテリー持続時間は長くなるに越したはないですが、重量に関しては、前モデルの時点でも他の同サイズのスマホより重かったのに、更に重くなってしまっています。重めのスマホが好きな方もいらっしゃるとは思いますが、恐らくは軽いのが好きな人の方が多いかなと思うので、個人的にはマイナス要素だと思っています。
ディスプレイ(参考)
これはiPhone 11と前モデルとの違いではなく、画面サイズごとの違いですが、意外と知らない方も居そうなので軽く触れています。画面サイズが6.1インチの標準モデルのみ液晶で、他は有機ELとなっています。
画面サイズ | パネル種類 | |
---|---|---|
iPhone 11 | 6.1インチ | Liquid Retina HDディスプレイ (IPS液晶) |
iPhone XR | ||
iPhone 11 Pro | 5.8インチ | Super Retina HDディスプレイ (有機EL) |
iPhone XS | ||
iPhone 11 Pro Max | 6.5インチ | |
iPhone XS Max |
最近では有機ELが流行っているので、「有機ELの方が純粋に高性能」と思っている方ももしかしたら居るかもしれないですが、実はそうでもありません。確かに、単純なキレイさ・繊細さという点では有機ELの方が上ですし、消費電力も少ないという特徴もあるので、一見「有機EL」良いじゃんってなります。
ただし、有機ELにも弱点があります。主なものは、屋外ではやや見にくかったり(バックライトが無いため)、同じ画像を長時間映していると焼き付いてしまったりなどがあります。iPhone 11を購入するにしてもしないにしても、ご存知なかった方は覚えておくと良いかもしれません。
大きな影響はなさそうな違い
次に、iPhone 11と前モデルの大きな影響は無さそうな違いについて見ていきたいと思います。個人的な意見で、重要視される方も居るかもしれないので、その点はご容赦ください。
Wi-Fi
iPhone 11では、現在ではまだ普及していない「IEEE 802.11ax(Wi-Fi 6)」という次世代のWi-Fi規格に対応しています。
対応Wi-Fi規格(最速) | |
---|---|
iPhone 11 | IEEE 802.11ax(Wi-Fi 6) |
iPhone 11 Pro | |
iPhone 11 Pro Max | |
iPhone XR | IEEE 802.11ac(Wi-Fi 5) |
iPhone XS | |
iPhone XS Max |
ax規格(Wi-Fi 6)は、現在主流のac規格(Wi-Fi 5)より約38%最大通信速度が向上しています。新規格に対応しているのは間違いなく「強み」ではあるのですが、実際にその恩恵を受けれるかというと、現時点ではそうでもありません。
まず、ax規格(Wi-Fi 6)に対応しているルーターがそもそも最近出始めたばかりなので、対応のルーターを用意しないと使えません。また、Wi-Fiの規格が新しくなり最大通信速度が上がったとしても、元々遅い回線が速くなったりするというものではありません。現在主流のac規格(Wi-Fi 5)の最大実効スループットが800Mbps程度と言われていますが、この最大値を出せている人はほぼ居ないと思いますので、活かせる人はかなり限られていると思います。更に、言うまでもないかもしれませんが、モバイルデータ通信メインで運用している人にとってはあまり関係のない話です。
もちろん、この先はax規格(Wi-Fi 6)が主流に変遷していくと思いますし、先を見据えて対応機にしておきたいという考えもアリですが、その差で買う買わないの判断が変わるほどの差ではないかなと思います。
防水
前モデルまでは、6.1インチの標準モデル(XR)では防水防塵性能を表すランクが「IP67」という、最高ランクの一つ前のものでしたが、11からは全モデル最高ランク「IP68」になりました。具体的には、「最大水深1mで最大30分」が「最大水深2mで最大30分」に向上したという感じだそうです。防水性能が上がる事は良いことですが、どちらも十分高い防水性能だと思いますし、この差が購入の決め手となる事は無さそうだと感じました。
超広帯域チップ「U1」
iPhone 11から新たに超広帯域通信を可能とする新たなチップ「U1」が搭載されています。これは空間認識のためのチップと説明されており、他のデバイスとの位置関係を正確に把握する事ができるとのこと。AirDropなどが正確に使える他、他にも応用が期待されています。
ただ、現状ではこの機能を活かせて個人利用で魅力を感じる場合は少ないです。次世代への布石という意味では非常に大きな意味を持つかもしれないですが、現状では大きな要素とはならないのではと感じます。
まとめ
良くなった点・悪くなった点
最後に、iPhone 11と前モデル(XR世代)との違いをざっとまとめています。
良くなった点
- 初登場価格がXR世代より安い(5,000円~10,000円)
- CPUの性能が向上(約18%)
- カメラの性能が大幅に向上
- バッテリー性能が向上
- Wi-Fi 6に対応
- 防水防塵が全種最高ランクに
- 超広帯域チップ「U1」搭載
悪くなった点
- 更に少し重くなった
- カメラのレンズ数が増えた事により、見た目の美しさが減少(個人的な意見)
初登場時の価格が下がっていながら性能が全体的に向上しており、近年のiPhoneの中ではお得感は高い方だと感じます。ただし、目立った「新機能」等は「超広帯域チップ」くらいで、これも現段階では恩恵を大きく得られるものではないです。また、安くなったとはいっても、本体価格自体が非常に高いのは変わらないので、XR世代を購入した方はあえて買い替える必要性は薄いのではないかと感じました。
悪くなった点について、項目自体は非常に少ないですが、重量が重くなった点については個人的には割と大きなマイナス要素だと感じています。前世代のXR世代の時点でも、同サイズの他機よりも重かったですから、更に重くなるのはちょっと嫌な感じはあります。バッテリー持続時間と引き換えとはいえ、何とも言えないです。
それでは記事はここまでになります。ご覧いただきありがとうございました。