おすすめ主要CPUの性能比較・一覧表【2024年7月最新版】

2024年7月時点での主要CPU性能の比較一覧表です。新しめの主要CPUのみを掲載しているため、主にこれからPC購入を考えている人向けの比較表になります。
※価格は記事更新時点での主に価格.comやAmazonでの価格となっています。記事内の性能スコアはPassMarkのスコアです。

/ スクロールします \


CPU名称
文字通りCPUの名前です。
評価
評価は管理人の主観的評価です。基本的に総合コスパとワットパフォーマンス重視で評価しています。特にノートPC向けCPUは、端末によって大きく違うので参考程度に。
性能スコア
PassMarkという特に有名なベンチマークのスコアです。総合性能といった感じになっています。
コア
CPUのコアの数(合計)です。コアが多いほどCPU全体の処理性能が高くなり、重い処理への対応力が高まります。ただし、最近では小型な省電力コアが採用されることが多かったりして、合計コア数だけで性能を推し量るのは難しいので注意。
スレッド
スレッドはシステム上で認識するコアの数と思って貰えばOKです。「1コア:1スレッド」が基本ですが、「1コア:2スレッド」のものもあります(SMT・ハイパースレッディング採用コアの場合)。
クロック・周波数(定格/最大)
CPUのクロックは、ざっくり言うと処理の回数を表す数値です。クロックが高いほど、処理できる信号の数が多いことになるので、処理性能が高くなりますが、負荷が高くなるため、発熱や消費電力が多くなります。ただし、コアの性能や他の要素により性能は大きく変わるので、クロックだけで性能は測れない点に注意。
TDP
TDPは熱設計電力のことで、大体の消費電力の目安となります。表向きはベース電力、もしくはTDP PL1の値が表示されていることが多いですが、実質の最大消費電力はTDP PL2の値なので注意(2023年2月時点)。CPUによってはベース電力とTDP PL1が別に設定されていたりしてややこしいですが、その場合には低い方をPL1として扱っています。
内蔵GPU
CPUと同じチップに統合されているGPUの名称です。記載の名前は略称であり、名前が同じでも性能が異なる場合もあるため注意(アーキテクチャが同じ、もしくはわずかな改良には同じ名前が用いられることがあるため)。 
Ryzen 9 7950X3D:Core i9に匹敵するゲーミング性能で電力効率も圧倒的に良い。ただし、高すぎる価格がネック
「3D Va-Cache」を搭載したZen 4のRyzen 9の最上位モデルです。16コア32スレッドによる驚異的なマルチスレッド性能を持ちつつ、Core i9-13900Kに匹敵する2023年10月時点でトップクラスのゲーミング性能を持っています。第13,14世代のCore i9よりも電力効率が大幅に優れているため、総合性能的な意味ではトップのゲーミングCPUと呼べると思います。しかし、「3D V-Cache」搭載による、電力制限の上限値やクロックが7950Xよりもやや低くなっているため、マルチスレッド性能は若干劣ります(とはいえ実用性を左右するほではない)。ネックなのはやはり価格で、2023年10月時点では競合のCore i9よりも2万円前後も高価です。そのため、電力面を除く単純な性能コスパではCore i9の方が若干優れているため、Intelに対する信頼性も含めて意外と選ばれていない印象です。とはいえ、数万円の費用追加よりも効率を取りたい人用の最強クラスのゲーミングCPUです。
Core i7-14700(F):20コアで6万円台前半の高コスパCPU
20コア(8P+12E)28スレッドの第14世代のCore i7のK無しモデルです。K無しモデルよりも消費電力が抑えられており、価格も少し安いです。20コアによるマルチスレッド性能は非常に高いですが、標準設定ではベース電力の65Wで基本稼働する様になっており、消費電力がかなり抑えられているため、K付きよりはマルチスレッド性能が一段落ちてしまいます。ただ、電力制限を調整(解除)することでK付きに近い性能まで引き上げることも可能なので、そのあたりの調整が出来る人にはK付きと実用性は大差なかったりします。ただし、標準設定のままでも発熱が少ないメリットもあり、電力制限を引き上げるなら高性能なクーラーが必要になるので、必要に応じて運用しましょう。
Ryzen 9 7900:省電力な12コア高性能CPU
Ryzen 9 7900は、Zen 4 Ryzenの12コアの省電力モデルCPUです。値下がりが進み、2024年6月時点では6万円を切っているため、「Core i7-14700(F)」に対して十分な競争力を持てるようになっています。最大消費電力(PPT)は88Wに設定されているため非常に省電力ながら、小型コアを含まない12コア24スレッドによる優れたマルチスレッド性能が魅力です。また、付属クーラー「Wraith Prism RGB」が付属品の割には悪くない性能なので、そちらで運用すれば実質コストもやや削減できるのも強みです。電力制限を解除することも可能なので、高性能なクーラーを用意すれば性能をやや引き上げることも可能で、CoreのK無しモデルと違ってオーバークロックにも対応しており、調整幅も非常に広いCPUなので、色々と設定弄ってみたいという人には特に面白いCPUだとも思います。
Core i5-14500 / Core i5-13500:3万円台後半~で14コア。コア単価が非常に安いCPU
第13,14世代Core i5のK無しの上位モデルです。14コア(6P + 8E)で3万円台後半という価格となっており、価格は3.7万円~(2024年1月時点)と安く、コア単価が非常に安いのが魅力です。ミドルレンジCPUとしてはマルチスレッド性能コスパが非常に優れています。デメリットとして、オーバークロックには非対応で電力制限も厳しめなので性能の伸び代が小さい点や、ハイエンドGPU使用時のゲーミング性能はCore i7以降には劣る点などあるのは留意ですが、この価格帯ではあまり気にならない点です。そのため、安さを重視しつつ空冷で十分なCPUでマルチスレッドコスパを追求するなら非常に魅力的な高コスパCPUです。ただし、残念ながらBTOなどではほとんど見掛けないモデルなので、半ば自作専用CPUだと思います。
Core i5-14400(F) / Core i5-13400(F):10コアで3万円台前半~という安さで、低価格構成で非常に強力
10コア(6P + 4E)16スレッドの第13,14世代のCore i5(下位)です。上位CPUと比べるとマルチスレッド性能は劣るもののコスパ自体は良く、重い処理でもこなせる性能ではあるので、安さ重視や、性能を持て余して費用を無駄にしたくない場合に向いているCPUです。ハイエンドGPU使用時がゲーム性能がやや低いのも弱点ではありますが、ハイエンド未満のGPUなら大した差ではありません。そのため、この価格のCPUでハイエンドGPUを採用する人はほとんど居ないため、実質的にはそこまで気にする必要がありません。安さ特化CPUでは非常に強力な選択肢です。
Ryzen 5 7600X/7600:約3万円前後でCore i5-13400(F)と同等の性能・コスパで、AM5の長期サポートを得られる
Zen 4で6コアのRyzen 5です。発売当初は高価だったために低価格PC用のCPUとして機能していませんでしたが、その後値下がりが進んだことで、価格・性能ともに「Core i5-13400F」に近い低価格PCで非常に強力なCPUとなりました。しかし、13400(F)よりもソケットのAM5のサポートは長期化が期待できる面で優位性があり、Coreと違い、RyzenではX3Dモデルの追加による旧シリーズ強化なども見込める関係で、後にCPUを交換をする場合を考えると一段有利なのが魅力です。BTOではまだ13400(F)よりも若干高価なことが多いので難しいですが、自作や一部構成では13400(F)とほぼ同額で導入できることもあるので、その場合にはちょっとおすすめです。
Ryzen 7 8700G/Ryzen 5 8600G:高性能内蔵GPUモデル
RyzenのRDNA 3アーキテクチャ内蔵GPU搭載モデルです。グラボ無しでも重めの3Dゲームや動画編集に対応が可能という、ライトユーザーには非常に魅力的なCPU(APU)です。AI用の「Ryzen AI」を搭載しているのも地味に嬉しいです。コア構成は、「Ryzen 7 8700G」はCPUは8コア16スレッドで、GPUは12コア(Radoen 780M)で、「Ryzen 5 8600G」はCPUは6コア12スレッドで、GPUは8コア(Radeon 760M)となっています。
8700Gと8600Gの内蔵GPUのコア数差(12 / 8)が気になると思いますが、コア数差の1.5倍ほどの差はなく、おおよそ1.2~1.3倍くらいの差です。重めの処理でなければ実用性面での差は意外と小さいので、CPU性能を重視しないなら8600Gでも良いと覚えておくと良いかもしれません。
Ryzen 7 5700X:2万円台中盤で買える圧倒的マルチスレッド性能コスパの旧世代8コアCPU
旧世代ですが、その価格の安さによる圧倒的なマルチスレッド性能コスパで売り上げ上位に居続けるのが「Ryzen 7 5700X」です。2万円台前半~中盤という価格で、3万円ちょっとの「Core i5-14400(F)」や「Ryzen 5 7600(X)」に匹敵するマルチスレッド性能を持つため、非常に優れたコスパを持っています。旧世代のためシングルスレッド性能やゲーム性能はやや落ちるものの、ゲームにおいてはミドルハイくらいまでのGPUならほぼ問題にはならないレベルなので、費用を節約しつつコスパを最大化できる存在として重宝します。電力効率も非常に優れており、未だに高コスパCPUとして非常に強力な存在です。
Snapdragon X Plus / Elite
元は主にスマホ・タブレット向けのArmアーキテクチャのSnapdragonですが、Windows向けとして調整されて登場しました。優れた基本性能と、優れたアイドル時の省電力性を持ち、NPU性能もCopilot+のローカル動作要件を満たす45TOPSを備えているのが魅力です。ただし、発売時点の価格は最安機でも18万円程度からとなっており非常に高価。
Eliteの純粋な性能は「Core Ultra 7 155H」に近いものがあるようなので、重い処理にも対応できる高い性能を持ちます。ただし、Windowsの各ソフトへの最適化が万全ではない点に注意。特にDirectX対応ゲームでは本来よりかなり低い性能となっており、IntelやAMDの最新世代には大きく劣ります。ゲームに限らず、Armに対応していないソフトはエミュレーション動作となり性能が落ちますが、エミュレーション動作ということを考慮しても性能低下が大きすぎる印象なので、やはり最適化不足感が強いです。本来の性能はもっと優れているはずなので、今後のドライバーなどによる改善に期待したいところ。とはいえ、最適化不足による性能低下を考慮しても性能自体が特別低い訳では無く、旧世代のCoreやRyzenに対して性能は上回る他、電力面も優れていはいます。
Zen 3+ 以降のRyzen 7(Ryzen 7 8840U / Ryzen 7 7840U / Ryzen 7 7735U 等)
アーキテクチャに「Zen 3+ / Zen 4」が採用されているRyzen 6000~8000シリーズは、優れた電力効率と内蔵GPUを持っているのが魅力です。効率に優れるためバッテリー持続時間が長い傾向があり、最大の消費電力もCoreよりも低い設定となっているので、発熱が少なく静音性も期待できます。内蔵GPUには「Radeon 680M / 780M」という12CUのRDNA 2/3アーキテクチャのものが採用されており、内蔵GPUとしては高い性能を発揮します。ゲームでは「GeForce GTX 1050 Ti」に迫る性能を持つため、軽いゲームなら非常に快適で、重いゲームも大体のものは動作自体は可能なレベルとなっています(重いゲームを快適にとは言えないけど)。動画編集もFHD以下くらいの軽いものならある程度対応可能で、内蔵GPUながらグラフィック面でも優れた対応力を持ちます。また、2024年現在ではほぼ恩恵はないですが、Zen 4モデル(末尾40以降の一部を除くモデル)ではAI用のNPUである「Ryzen AI」も搭載されています。対抗となるのは「Core Ultra H(シリーズ1)」ですが、そちらよりも基本的にやや安価なので、コスパでは若干上な印象です。
Core Ultra シリーズ1(Core Ultra 7 155H / Core Ultra 5 125H 等)
ようやく7nmに到達した「Meteor Lake」アーキテクチャ採用のIntelの新ブランド「Core Ultra」の第1世代(シリーズ1)です。プロセスの微細化のみならず、タイル設計(チップレット)への移行、GPU性能の向上、NPU(AI用ユニット)やLP Eコア(省電力効率コア)の導入などの多くの変更点が含まれるシリーズとなっています。
特に、内蔵GPU「Arc(Xe-LPG)」の性能は飛躍的な向上となっており、最上位のArc 8コアGPUは対抗のRyzen 8000の最上位の内蔵GPU「Radeon 780M」を上回る非常に高い性能を持ちます。ゲーム性能は「GeForce GTX 1650」にも匹敵するレベルとなっており、軽いゲームなら非常に快適で、重いゲームも大体動作は可能、動画編集もFHD以下程度の軽めのものならある程度対応可能という高い対応力を持ちます。重量級のゲームや動画編集をしないなら、別途のビデオカードは不要なレベルです。
プロセス刷新により前世代までよりも効率も向上している他、LP Eコアのおかげで、特にアイドル時の消費電力削減に期待できるなど、前世代と比べると格段に向上しています。残念ながら、CPUとしての処理性能自体は前世代より良くなっている訳ではなく、効率も対抗のRyzenやApple Mシリーズを上回ると言えるほどではないですが、競争力は以前よりは高まっており、おすすめし易くなったと思います。
Core i5-1340P / Core i7-1360P 等(第12,13世代のCore i5 / i7の末尾P
第12,13世代のデフォルトTDPが28Wとやや高めに設定されている、Core i5 / i7のPモデルです。新しい「Core Ultra」が登場しましたが、在庫処分の値下がりに注目なモデルです。第12世代と第13世代はコア数は同じで性能差は小さいので、安い方でOKです。合計コア数が12~14(4P or 6P + 8E)と多くてマルチスレッド性能が高く、性能コスパに優れているのが魅力です。末尾U(例:Core i5-1335U)よりPコア(高性能コア)の数が多く、マルチスレッド性能が一段高いです。内蔵GPU性能や消費電力の多さでは対抗のRyzenにやや劣る点は注意ですが、採用製品が多くてお得な製品を探しやすいのが魅力です。
Core i5-1335U / Core i7-1355U 等(第12,13世代のCore i5 / i7の末尾U)
第12,13世代のデフォルトTDPが15Wと低めに設定されている、Core i5 / i7のUモデルです。比較的安価に軽作業には十分な処理性能を提供してくれるため、低価格高コスパPC用としておすすめのシリーズです。第12世代と第13世代でコア数は基本同じで処理性能差もわずかなので、安い方でOKです。ただし、コア数合計は10コアと多いものの、高性能コア(Pコア)は2つしかなく、8個が省電力さ重視のEコアな点に注意。コア数の見栄えほどは高性能ではなく、軽作業には十分すぎる性能だけど、重い処理は厳しめといった感じ。採用製品が非常に多く、お得な製品が探しやすいのが特に大きな強みです。
Apple Mシリーズ(M1~M4 の 無印 / Pro / Max)
Apple開発のSoC(CPU)です。非常に優れた電力効率と優れたCPU性能と内蔵GPU性能を持ちます。最下位のM1無印モデルですら、エントリーグラボレベルの優れた内蔵GPU性能を持つため、重めの動画編集なども可能な対応力の高さが魅力です。CPU性能もスレッド数が少ない割には非常に優れており、重い処理も可能です。また、非常に電力効率が良く、重い作業をしていても消費電力がそこまで多くなく、バッテリー利用時でもパフォーマンスが落ちたり駆動時間が短くなりにくいのも持ち運びを頻繁に行う人には嬉しいです。ノートPCとして重要な要素全てを高いレベルで兼ね備えている、非常に完成度の高いSoCです。
ただし、Macにしか搭載されない点は注意です。優れたGPU性能ながら、多くの人気PCゲームはDirectX(Windows用)に最適化されているためネイティブ環境でプレイすることができません。その他のMac用に作られていないソフトについても、基本エミュレーション動作となるためパフォーマンスの低下や予期しないトラブルが発生する可能性がある点も注意が必要です。また、AV1のデコードにもM3以降でしか対応していない点も注意です。

【デスクトップ】主要CPUまとめ

デスクトップPC向けの主要CPU性能比較表です。クロックについて、高性能コア(Pコア)+高効率コア(Eコア)のような混合コア仕様の場合はPコアのクロックを表記しています。また、TDP PL1について、ベース電力が別に設定されていたりすることもありますが、低い方をPL1として表記しているためご注意ください。CPU名はAmazonへのリンクとなっています。

参考:Passmark

【ノートPC・タブレットPC向け】主要CPUまとめ

ノートPC・タブレットPC向けの主要CPU性能比較表です。クロックについて、高性能コア(Pコア)+高効率コア(Eコア)のような、混合コア仕様の場合は高性能コア(Pコア)のクロックを表記しているので注意してください。

TDPは、左側がPL1の数値で右側がPL2もしくは最大値です。ただし、モバイル版CPUにでは必要に応じてTDPをベンダーが調整できるため、表記の数値とは異なる可能性もあります。


【省電力モデル:~28W】
TDP(PL1)が28W以下の省電力モデルです。
CPU名称コスパ
評価
性能
スコア
コア/
スレッド
クロック
定格 / 最大
TDP
内蔵GPU
Ryzen 7 8840U
25,646
8/16
3.3 / 5.1GHz28WRadeon 780M
Ryzen 7 7840U
25,394
8/16
3.3 / 5.1GHz28WRadeon 780M
Apple M4 10コア
25,325
10/10
4.41GHz22WApple M4 GPU
Core Ultra 7 155H
25,143
16/22
1.4 / 4.8GHz28W – 64W/115WIntel Iris Xe 8コア
Core Ultra 5 135H
24,276
14/18
1.7 / 4.6GHz28W – 64W/115WIntel Iris Xe 7コア
Snapdragon X Elite (X1E-84-100)
23,272
12/12
3.8 / 4.2GHz23W – 80WAdreno X1
Snapdragon X Plus (X1P-64-100)
22,814
10/10
3.4GHz23W – 80WAdreno X1
Snapdragon X Elite (X1E-80-100)
22,746
12/12
3.4 / 4.0GHz23W – 80WAdreno X1
Snapdragon X Elite (X1E-78-100)
22,741
12/12
3.4GHz23W – 80WAdreno X1
Apple M4 9コア
22,481
9/9
4.41GHz22WApple M4 GPU
Core i7-1370P
21,803
14/20
1.9 / 5.2GHz28W – 64WIris Xe G7 96EU
Core Ultra 5 125H
21,552
14/18
1.2 / 4.5GHz28W – 64W/115WIntel Iris Xe 7コア
Ryzen 5 8640U
6/12
3.5 / 4.9GHz28WRadeon 760M
Ryzen 5 7640U
21,592
6/12
3.5 / 4.9GHz28WRadeon 760M
Ryzen 7 7735U
21,172
8/16
2.7 / 4.8GHz28WRadeon 680M
Ryzen 7 6800U
20,604
8/16
2.7 / 4.7GHz15W – 28WRadeon 680M
Core i5-1340P
20,556
12/16
1.9 / 4.6GHz28W – 64WIris Xe G7 80EU
Core i7-1280P
20,442
14/20
1.8 / 4.8GHz28W – 64WIris Xe G7 96EU
Core i7-1360P
19,681
12/16
2.2 / 5.0GHz28W – 64WIris Xe G7 96EU
Ryzen 5 8540U
19,425
6/12
3.2 / 4.9GHz28WRadeon 740M
Ryzen 7 7730U
19,034
8/16
2.0 / 4.5GHz15WRadeon RX Vega 8
Apple M3
18,869
8/8
4.0GHz22WApple M3 GPU
Ryzen 7 5800U
18,860
8/16
1.9 / 4.4GHz15W – 25WRadeon RX Vega 8
Ryzen 7 5825U
18,714
8/16
2.0 / 4.5GHz15W – 25WRadeon RX Vega 8
Core i5-1250P
18,117
12/16
1.7 / 4.4GHz28W – 64WIris Xe G7 80EU
Core i7-1270P
17,648
12/16
2.2 / 4.8GHz28W – 64WIris Xe G7 96EU
Ryzen 5 7535U
17,419
6/12
2.9 / 4.6GHz28WRadeon 660M
Core i5-1240P
17,393
12/16
1.7 / 4.4GHz28W – 64WIris Xe G7 80EU
Core i7-1260P
17,378
12/16
2.1 / 4.7GHz28W – 64WIris Xe G7 96EU
Core 7 150U
17,369
10/12
1.8 / 5.4GHz15W – 55WIris Xe G7 96EU
Ryzen 5 6600U
17,221
6/12
2.9 / 4.5GHz15W – 28WRadeon 660M
Core Ultra 7 165U
16,756
12/14
1.7 / 4.9GHz15W – 57WIntel Iris Xe 4コア
Core Ultra 5 125U
16,594
12/14
1.3 / 4.3GHz15W – 57WIntel Iris Xe 4コア
Ryzen 5 7530U
16,519
6/12
2.0 / 4.5GHz15WRadeon RX Vega 7
Ryzen 7 5700U
15,825
8/16
1.8 / 4.3GHz15W – 25WRadeon RX Vega 8
Core i7-1355U
15,469
10/12
1.7 / 5.0GHz15W – 55WIris Xe G7 96EU
Ryzen 5 5600U
15,343
6/12
2.3 / 4.2GHz15W – 25WRadeon RX Vega 7
Apple M2
15,340
8/8
3.5GHz22WApple M2 GPU
Ryzen 5 5625U
15,266
6/12
2.3 / 4.3GHz15W – 25WRadeon RX Vega 7
Core i5-1335U
14,934
10/12
1.3 / 4.6GHz15W – 55WIris Xe G7 80EU
Core i3-1220P
14,420
10/12
1.5 / 4.4GHz28W – 64WUHD Xe 64EU
Apple M1
14,130
8/8
3.2GHz15W – 20WApple M1 GPU
Core i7-1255U
13,887
10/12
1.7 / 4.7GHz15W – 55WIris Xe G7 96EU
Core i5-1235U
13,655
10/12
1.3 / 4.4GHz15W – 55WIris Xe G7 80EU
Ryzen 7 4700U
13,482
8/8
2.0 / 4.1GHz15W – 25WRadeon RX Vega 7
Ryzen 5 5500U
13,280
6/12
2.1 / 4.0GHz15W – 25WRadeon RX Vega 7
Core i7-1265U
13,130
10/12
1.8 / 4.8GHz15W – 55WIris Xe G7 96EU
Core i3-1315U
12,632
6/8
1.2 / 4.5GHz15W – 55WUHD Xe 64EU
Core i3-1215U
11,185
6/8
1.2 / 4.4GHz15W – 55WUHD Xe 64EU
Core i7-1195G7
11,076
4/8
2.9 / 5.0GHz15W – 64WIris Xe G7 96EU
Core 3 100U
11,049
6/8
1.2 / 4.7GHz15W – 55WUHD Xe 64EU
Ryzen 5 4500U
11,015
6/6
2.3 / 4.0GHz15W – 25WRadeon RX Vega 6
Core i7-1185G7
10,577
4/8
3.0 / 4.8GHz15W – 64WIris Xe G7 96EU
Ryzen 3 5400U
11,540
4/8
2.6 / 4.0GHz15W – 25WRadeon RX Vega 6
Core i7-1165G7
10,375
4/8
2.8 / 4.7GHz15W – 64WIris Xe G7 96EU
Core i5-1135G7
9,923
4/8
2.4 / 4.2GHz15W – 28WIris Xe G7 80EU
Core i7-10710U
9,739
6/12
1.1 / 4.7GHz15W – 25WUHD 620
Ryzen 3 5300U
9,735
4/8
2.6 / 3.8GHz15W – 25WRadeon RX Vega 6
Core i7-1160G7
9,183
4/8
2.1 / 4.4GHz7W – 15WIris Xe G7 96EU
Core i7-1065G7
8,442
4/8
1.3 / 3.9GHz15W – 25WIris Plus G7
Core i3-N300
8,064
8/8
? / 3.8GHz7WUHD Xe 750 32EU
Core i5-1035G4
8,019
4/8
1.1 / 3.7GHz15W – 25WIris Plus G4
Ryzen 3 4300U
7,492
4/4
2.7 / 3.7GHz15W – 25WRadeon RX Vega 5
Core i5-1035G1
7,487
4/8
1.0 / 3.6GHz15W – 25WUHD G1
Core i7-10510U
6,687
4/8
1.8 / 4.9GHz15W – 25WUHD 620
Ryzen 7 3700U
7,193
4/8
2.3 / 4.0GHz15W – 35WRadeon RX Vega 10
Ryzen 5 3500U
7,001
4/8
2.1 / 3.7GHz15W – 35WRadeon RX Vega 8
Core i5-10210U
6,259
4/8
1.6 / 4.2GHz15W – 25WUHD 620
Core i3-1115G4
6,153
2/4
3.0 / 4.1GHz15W – 28WUHD Xe G4 48EU
Intel N100
5,630
4/4
1.0 / 3.4GHz6WUHD Xe 24EU
Intel N95
5,451
4/4
-3.4GHz15WUHD Xe 16EU
Core i7-10510Y
5,100
4/8
1.2 / 4.5GHz7W – 9WUHD 615
Core i3-1005G1
5,001
2/4
1.2 / 3.4GHz15W – 25WUHD G1
Core i5-10210Y
4,640
4/8
1.0 / 4/0GHz7W – 9WUHD 615
Athlon Gold 3150U
4,028
2/4
2.4 / 3.3GHz15W – 25WRadeon RX Vega 3
Core i3-10110U
3,943
2/4
2.1 / 4.1GHz15W – 25WUHD 620
Athlon 300U
3,933
2/4
2.4 / 3.3GHz15WRadeon RX Vega 3
Ryzen 3 3200U
3,829
2/4
2.6 / 3.5GHz15W – 25WRadeon RX Vega 3
Celeron N5100
3,357
4/4
1.1 / 2.8GHz6WUHD(24EU,Jasper Lake)
Pentium Silver N6000
3,078
4/4
1.1 / 3.0GHz6W – 20WUHD(32EU,Jasper Lake)
Pentium Gold 6500Y
3,016
2/4
1.1 / 3.4GHz5WUHD 615
Athlon Silver 3050U
3,002
2/2
2.3 / 3.2GHz15W – 25WRadeon RX Vega 2
Core i3-10100Y
2,955
2/4
1.0 / 4.0GHz7W – 9WUHD 615
Core m3-8100Y
2,893
2/4
1.1 / 3.4GHz5WUHD 615
Pentium Silver N5030
2,614
4/4
1.1 / 3.1GHz6WUHD 605
Pentium Silver N5000
2,588
4/4
1.1 / 2.7GHz6WUHD 605
Celeron N4120
2,548
4/4
1.1 / 2.6GHz6WUHD 600
Core i7-8500Y
2,484
2/4
1.5 / 4.2GHz5WUHD 615
Celeron N4100
2,442
4/4
1.1 / 2.4GHz6WUHD 600
Core i5-8200Y
2,270
2/4
1.3 / 3.9GHz5WUHD 615
Celeron N4500×
2,018
2/2
1.1 / 2.8GHz6WUHD(16EU,Jasper Lake)
Celeron N4020×
1,820
2/2
1.1 / 2.8GHz6WUHD 600
Pentium 4425Y
1,690
2/4
1.7GHz6WUHD 615
Pentium 4415Y
1,593
2/4
1.6GHz6WHD 615
参考:Passmark

【性能重視モデル:35W~】
TDP(PL1)が35W以上の消費電力が多い代わりに高性能なモデルです。IntelとAMD製では末尾に「H」が付いているのが特徴です。主にゲーミングノートPCなどビデオカード搭載機に採用されています。一部TDPが28W~35Wのモデルもこちらに記載しています。
CPU名称
コスパ
性能
スコア
コア
スレッド
クロック
定格 / 最大
TDP
内蔵GPU
Ryzen 9 7945HX
56,985
16/32
2.5 / 5.4GHz55W – 75WRadeon 610M
Core i9-13980HX
48,369
24/32
2.2 / 5.6GHz55W – 157WUHD Xe 32EU
Ryzen 9 7845HX
46,791
12/24
3.0 / 5.2GHz55W – 75WRadeon 610M
Core i9-13950HX
45,644
24/32
2.2 / 5.5GHz55W – 157WUHD 770
Core i9-13900HX
44,968
24/32
2.2 / 5.4GHz55W – 157WUHD Xe 32EU
Apple M3 Max 16コア
39,951
16/16
4.06GHz57WM3 Max 40コア GPU
Apple M3 Max 14コア
35,319
14/14
4.06GHz50WM3 Max 30コア GPU
Core i9-12900HX
34,989
16/24
2.3 / 5.0GHz55W – 157WUHD 770
Core i7-13700HX
34,463
16/24
2.0 / 5.0GHz55W – 157WUHD 770
Ryzen 7 7745HX
32,853
8/16
4.0 / 5.2GHz55W – 75WRadeon 610M
Core i7-12800HX
33,169
16/24
2.0 / 4.8GHz55W – 157WUHD 770
Core i9-12950HX
32,993
16/24
2.5 / 5.0GHz55W – 157WUHD 770
Ryzen 9 7940HS
31,041
8/16
4.0 / 5.0GHz35W – 54WRadeon 780M
Core i9-13900H
30,262
14/20
2.6 / 5.4GHz45W – 115WIris Xe G7 96EU
Ryzen 7 8845HS
28,991
8/16
3.8 / 5.1GHz35W – 54WRadeon 780M
Ryzen 9 8945HS
28,913
8/16
4.0 / 5.2GHz35W – 54WRadeon 780M
Core i9-12900H
28,725
14/20
2.5 / 5.0GHz45W – 115WIris Xe G7 96EU
Core i7-13700H
28,676
14/20
2.4 / 5.0GHz45W – 115WIris Xe G7 96EU
Core Ultra 9 185H
28,225
16/22
2.3 / 5.1GHz45W – 115WIntel Iris Xe 8コア
Core i9-12900HK
28,152
14/20
2.5 / 5.0GHz45W – 115WIris Xe G7 96EU
Apple M3 Pro 12コア
27,049
12/12
4.06GHz35WM3 Pro 18コア GPU
Core i7-12700H
26,547
14/20
2.3 / 4.7GHz45W – 115WIris Xe G7 96EU
Apple M2 Pro 12コア
26,435
12/12
3.5GHz40WM2 Pro 19コア GPU
Apple M2 Max
26,177
12/12
3.7GHz40WM2 Max 38コア GPU
Core i7-12800H
24,959
14/20
2.4 / 4.8GHz45W – 115WIris Xe G7 96EU
Ryzen 9 6900HS
24,053
8/16
3.2 / 4.7GHz35W – 54WRadeon 680M
Apple M3 Pro 11コア
23,777
11/11
4.06GHz35WM3 Pro 14コア GPU
Core i7-12650H
23,683
10/16
2.3 / 4.7GHz45W – 115WUHD Xe 64EU
Ryzen 9 5980HX
23,584
8/16
3.3 / 4.8GHz45W – 54WRadeon RX Vega 8
Ryzen 7 6800H
23,518
8/16
3.2 / 4.7GHz45W – 54WRadeon 680M
Core i9-11980HK
23,470
8/16
2.6 / 5.0GHz45W – UHD Xe 32EU
Ryzen 5 7640HS
23,263
6/12
4.3 / 5.0GHz35W – 54WRadeon 760M
Ryzen 7 6800HS
22,995
8/16
3.2 / 4.7GHz35W – 54WRadeon 680M
Core i5-13500H
22,979
12/16
2.6 / 4.7GHz45W – 115WIris Xe G7 80EU
Ryzen 9 5900HX
22,780
8/16
3.3 / 4.6GHz45W – 54WRadeon RX Vega 8
Apple M1 Max
22,152
10/10
3.2GHz30WM1 Max 32/24コアGPU
Apple M2 Pro 10コア
21,980
10/10
3.7GHz45WM2 Pro 16コア GPU
Ryzen 9 5900HS
21,907
8/16
3.3 / 4.6GHz35W – 54WRadeon RX Vega 8
Apple M1 Pro 10コア
21,690
10/10
3.2GHz30WM1 Pro 16コア GPU
Core i5-12500H
21,681
12/16
2.8 / 4.5GHz45W – 115WIris Xe G7 80EU
Ryzen 9 5980HS
21,232
8/16
3.0 / 4.8GHz35W – 54WRadeon RX Vega 8
Ryzen 7 5800H
21,197
8/16
3.2 / 4.4GHz45W – 54WRadeon RX Vega 8
Core i9-11900H
21,011
8/16
2.5 / 4.9GHz45W – UHD Xe 32EU
Core i7-11800H
20,834
8/16
2.3 / 4.6GHz45W – UHD Xe 32EU
Core i7-11850H
20,812
8/16
2.5 / 4.8GHz45W – UHD Xe 32EU
Ryzen 7 5800HS
20,502
8/16
2.8 / 4.4GHz35W – 54WRadeon RX Vega 8
Ryzen 9 4900H
19,289
8/16
3.3 / 4.4GHz45W – 54WRadeon RX Vega 8
Ryzen 7 4800H
19,155
8/16
3.0 / 4.2GHz45W – 54WRadeon RX Vega 7
Ryzen 9 4900HS
19,136
8/16
3.0 / 4.3GHz35W – 54WRadeon RX Vega 8
Ryzen 7 4800HS
18,945
8/16
2.9 / 4.2GHz35W – 54WRadeon RX Vega 7
Core i5-12450H
18,032
8/12
2.0 / 4.4GHz45W – 115WUHD Xe G4 48EU
Ryzen 5 5600H
17,439
6/12
3.3 / 4.2GHz45W – 54WRadeon RX Vega 6
Apple M1 Pro 8コア
17,360
8/8
3.2GHz30WM1 Pro 14コア GPU
Core i5-11400H
15,975
6/12
2.7 / 4.5GHz45W – UHD Xe 750
Core i9-10980HK
15,794
8/16
2.4 / 5.3GHz45W – UHD 630
Core i7-10875H
15,585
8/16
2.3 / 5.1GHz45W – UHD 630
Ryzen 5 4600H
14,793
6/12
3.0 / 4.3GHz45W – 54WRadeon RX Vega 6
Ryzen 5 4600HS
14,666
6/12
3.0 / 4.0GHz35W – 54WRadeon RX Vega 6
Core i7-10750H
12,063
6/12
2.6 / 5.0GHz45W – UHD 630
Core i7-11375H
12,049
4/8
3.3 / 5.0GHz35W – Iris Xe G7 96EU
Core i7-11370H
11,790
4/8
3.3 / 4.8GHz35W – Iris Xe G7 96EU
参考:Passmark

主流CPUの全体的な話

デスクトップ用

総合ざっくり評価
CPU名
マルチ
スレッド
シングル
スレッド
ゲーミング
消費電力
発熱
Core i9(第13,14世代)
24コア(8P+16E)
32スレッド
4.75
4.75
4.75
1.5(第14世代)
1.25(第13世代)
Ryzen 9(7000)
16コア32スレッド
12コア24スレッド
4.75(16コア)
4.25(12コア)
4.5
4.75(X3D)
4.5(X3D以外)
1.75(16コア)
2.5(12コア)
Core i7(第14世代)
20コア(8P+12E)
28スレッド
4.5(K)
4.75
4.75
1.5(K)
Core i7(第13世代)
16コア(8P+8E)
20スレッド
4.25(K付き)
4.0(無印)
4.5
4.75
1.75(K付き)
3.75(無印)
Ryzen 7(7000)
8コア16スレッド
3.75
4.5
4.75(X3D)
4.5(X3D以外)
3.5
Core i5 K(第13,14世代)
14コア(6P+8E)
20スレッド
4.0
4.25
4.5
2.75
Ryzen 5(7000)
6コア12スレッド
3.25
4.25
4.5
4.0
Core i5 無印(第13世代)
10~14コア(6P + 4-8E)
16~20スレッド
3.75(14コア)
3.25(10コア)
4.0
4.0
4.0
※ゲーム性能はハイエンドGPUと併用した場合
ざっくり評価まとめ(デスクトップ用CPU)
第13,14世代Core と Ryzen 7000
※良い方が左
シングルスレッドCore > Ryzen
マルチスレッド9:Core Ryzen
その他:Core > Ryzen
ゲーミングCoreRyzen(X3D)Ryzen(その他)Core(i5無印以下)
消費電力と効率RyzenCore
総合コスパCore > Ryzen

デスクトップ用CPUは、Intelの「Core」シリーズとAMDの「Ryzen」シリーズが主流となっており、「Core i7 VS Ryzen 7」のように、同じモデルナンバーの製品が対抗製品となっています。

2023年10月時点での最新モデルは「第13,14世代Coreシリーズ」と「Ryzen 7000シリーズ」です。Coreシリーズが2世代対象になっているのは、第14世代が第13世代のリフレッシュ版であり、ハードウェアの基盤のシステム面での変更が無かったためです(アーキテクチャとダイが同じ)。

第13,14世代のCoreシリーズとRyzen 7000シリーズの比較ですが、まず基本的に性能コスパでは第13,14世代Coreが有利です。

これは、第13,14世代Coreの方がEコアを採用しているためコア数が多く、マルチスレッド性能で上回るケースが多いためです。Ryzen 9とCore i9に関してはほぼ同等なものの、7および5モデルではCoreの方がマルチスレッド性能が基本的に高いです。ゲーミング性能についても、Ryzen「3D V-Cache」搭載のX3Dモデルを除けば、Coreの方が少し上なので、性能だけ見れば競合モデル同士の比較でCoreの方が下回るケースはほぼ無いため、コスパ重視ならCoreを選択する方が無難です。

Ryzenは前述の「X3Dモデル」に関してはゲーミング性能ではCoreに匹敵するものの、該当モデルは価格がやや高くなっているため、やはり性能コスパだけ見ればCoreの方がやや有利という状況です。

ただし、Ryzen 7000シリーズの方が電力効率や消費電力の少なさでは有利なので、効率も重視したい場合にはRyzenも優れた選択肢です。特に、X3Dモデルの最上位の「Ryzen 9 7950X3D」に関しては、「Core i9-13900K」の匹敵するゲーミング性能を持ちつつも消費電力は圧倒的に少なく、電力効率が非常に優れているため、予算を気にしない場合の最強のゲーミングCPUが欲しいなら最適です。

先にも触れた通り、Core i7 / Ryzen 7以下については、Coreの方が有利です。理由は、7以下のモデルでは、Pコア(高性能コア)の数は両者同じですが、第13,14世代CoreではEコア(高効率コア)が4~8コア搭載されており、その分マルチスレッド性能で有利なためです。

ただし、2023年10月時点ではCoreの価格がやや高くなっているのに対し、Ryzenは発売時よりも価格が下がってきているため、市場のその時の価格次第ではある点に注意です。

※基本的にゲームのパフォーマンスを高めるのに最も重要なのはCPUではなくGPUであり、ゲーミング性能は高性能なグラッフィクボードと併用した場合なのでご注意ください。

ノートPC用

ノートPCを含むモバイル端末のCPUでは、デスクトップPC用よりもより省電力性が重視される傾向がある点に注目です。また、ライトユーザーが多い事もあり、性能は最低限あればOKという見方の人も多いので、純粋な性能の高さよりも価格の安さとコスパを重視する人が多いのも特徴です(軽作業が快適にできるくらいの性能がある前提ではあるけど)。

WindowsノートPC用のCPUもデスクトップPC用と同様に、Intelの「Core」シリーズとAMDの「Ryzen」シリーズが主流のCPUとなっています。2024年2月時点の最新モデルは、「Core Ultra シリーズ1」と「Ryzen 8000」シリーズです。ただし、この文章を書いている時点では登場してから日が浅く、価格も非常に高価で製品数も少ないため、前世代がまだメイン世代という感じです。それぞれの特徴についてざっくりと説明しています。対象はTDP(PL1)が28W以下の省電力モデルです。

「Ryzen 7000」シリーズは同じシリーズながらアーキテクチャの異なるモデルが多数存在するため、複雑化している点に要注意です。

総合ざっくり評価
CPU名
マルチ
スレッド
シングル
スレッド
内蔵GPU
省電力
Core Ultra 7シリーズ1
16コア(6P+8E+2LPE)
22スレッド
155H 等
4.5
4.5
4.75
3.5
Ryzen 7(Zen 4)
8コア16スレッド
7840U、8840U 等
4.5
4.5
4.5
4.0
Core Ultra 5シリーズ1
14コア(4P+8E+2LPE)
18スレッド
125H 等
4.25
4.5
4.5
3.5
Core i7-P(第13世代)
12コア(4P+8E)
16スレッド
※12コアモデルのみ評価
1360P 等
4.25
4.5
3.75
3.5
Core 7 シリーズ1
Core i7-U(第13世代)

10コア(2P+8E)
12スレッド
150U、1355U 等
4.0
4.5
3.75
3.75
Ryzen 7(Zen 3+)
8コア16スレッド
7735U、6800U 等
4.25
4.25
4.25
4.0
Ryzen 7(Zen 3)
8コア16スレッド
7730U、5825U 等
4.25
4.0
3.5
4.0
Core i5-P(第13世代)
12コア(4P+8E)
16スレッド
1340P 等
4.25
4.25
3.75
3.5
Core 5 シリーズ1
Core i5-U(第13世代)

10コア(2P+8E)
12スレッド
130U、1335U 等
4.0
4.25
3.75
3.75
Ryzen 5(Zen 3+)
6コア12スレッド
7535U 等
4.0
4.25
4.0
4.0
Ryzen 5(Zen 3)
6コア12スレッド
7530U、5625U 等
4.0
4.0
3.25
4.0
Ryzen 5 7520U(Zen 2)
4コア8スレッド
3.25
3.25
3.25
4.25

ざっくり評価(ノートPC用CPU)
Core Ultra/第13世代と Ryzen 8000/7000 の性能評価
マルチスレッドCore Ultra、Core(P)14コアRyzen(40) Ryzen(35/30) > Core(P)12コア > Core(U) >> Ryzen(20)
シングルスレッドCore(Ultra/P/U)Ryzen(40) Ryzen(35/30) >> Ryzen(20)
内蔵GPUCore Ultra > Ryzen(40) > Ryzen(35) >> Core(P/U) > Ryzen(30) > Ryzen(20)
省電力性能(電力効率)Ryzen(40/35) > Core UltraCore(U) , Ryzen(30)Core(P) , Ryzen(20)

Ryzen 8000/7000(モバイル)の評価

※Zen 4モデル(Ryzen 8040 / 7040 等)が既に登場し一応最新モデルではありますが、2024年2月時点ではまだ製品数が少ない上に、ほとんどが非常に高価で主流モデルというほど流通していないため、Zen 3+以下のRyzen 7000シリーズを主要モデルとして以下では触れています。

ノートPC版のRyzen 7000シリーズはやや複雑になったので注意です。複数のアーキテクチャが混在しています。CPUに関しては、下2桁の番号による命名規則があるので見分けることは出来るので、憶えておくと便利です。

たとえば、Ryzen 7 7730Uの場合は下2桁が「30」なので「Zen 3」モデルとなります。ただし、「Zen 3+」モデルもあり、こちらは下2桁が「35」のRyzen 7735Uなどです。Zen 3とZen 3+は特にGPU性能に大きな差があるので注意です。このように、CPUの見分けは名前から推測することができますが、GPU性能やその他の特徴はそれぞれ異なるので複雑で、正直かなり分かりにくいです。

ただし、どのモデルも高負荷時の省電力性(電力効率)が優れている点は共通の強みです。そのため、基本的にバッテリーの実際の使用時間の長さを重視するなら、CoreよりRyzenの方が少し優秀です(バッテリー容量やディスプレイなどにもよるので一概には言えないけど)。他の点についてはモデル(アーキテクチャ)別に触れていきます。

まず、まだ普及が進んでいないZen 4モデルを除いた場合の2024年2月現在で実質的に最も良いのは、下2桁が35の「Zen 3+」モデル(例:Ryzen 7 7735U)です。CPU自体の性能が優れているのはもちろん、電力効率の良さとGPU性能の高さが魅力です。特に、Ryzen 7搭載の「Radeon 680M」GPUは「GTX 1050 Ti(モバイル版)」に匹敵する性能となっており、軽いゲームなら非常に快適で、動画編集などもFHD以下のものなら対応できるレベルです。専用のVRAMがないこともあり、まだデータ量の多い処理は単体のビデオカードにはさすがに敵わないものの、ライトユーザーなら十分と思える性能だと思います。価格は、Ryzen 7(Zen 3+)の高コスパ製品の場合、おおよそ10万円台~13万円程度となっており高価ではあるものの、Zen 4 RyzenやCore Ultra 7は安くても15万円~16万円は現状することを考えると、実用コスパは上回っていると思います。

一つ下のモデルが、下2桁が30の「Zen 3」モデル(例:Ryzen 5 7530U)です。こちらのモデルは、安価でCPU性能は高くて省電力性も優れるのが非常に魅力的ですが、CPUが古い「Vega」な点に注意が必要です。Vegaは性能が最新ものよりもやや劣る上に、将来性が期待される映像コーデック「AV1」へのハードウェア対応が無い点が大きいです。2024年時点ではそこまで問題にはならないものの、今後は大きなネックとなる可能性もある部分なので、長く使っていきたいPCであれば避けたいというのが個人的な意見です。とはいえ、GPUは割り切って、CPU性能コスパ特化なら良い選択肢なので考えた方次第ではあります。

最後に一番下のモデルが、下2桁が20の「Zen 2」モデル(例:Ryzen 5 7520U)です。こちらのモデルの問題は、最高でも4コアしかないことです。他の Core i5 / Ryzen 5 は6コア以上ですから、マルチスレッド性能が圧倒的に劣ります。

ただし、TDPが8W~15Wと低消費電力で、メモリもLPDDR5対応となっているため、省電力性に優れている点はメリットです。また、内蔵GPUは「Radeon 610M」という「RDNA 2」アーキテクチャ採用のものが搭載されており、性能は低いですが、Vegaとは異なりAV1デコードに対応している点は嬉しいです。そのため、性能にこだわらず、安さと省電力性に特化するなら一応無しではないです。ただし、性能コスパは明らかに悪いので、基本的にはおすすめしません。

第13世代Core(モバイル)の評価

※2024年2月時点ではCore Ultra シリーズ1が既に登場し、そちらが最新モデルとはなりますが、搭載製品がまだ非常に少なく高価であり、主流モデルと言えるほどは市場に出回っていないので、まだ第13世代Coreが主要モデルとして下記では触れています。

第13世代Coreの魅力は、高効率コアを搭載していることによるコア数の多さと、全モデル内蔵GPUにAV1デコード対応があることです。

まずコア面ですが、第13世代Coreでは、コアに小型で低消費電力に特化したコア「Eコア」を多数搭載し、マルチスレッド性能を底上げしています。Eコアはコア自体の性能はメインの高性能コア(Pコア)には劣るので、総合的なマルチスレッド性能はRyzenに対して有利ではない点には注意が必要ですが、小型で低消費電力かつ低コストなので、特に高負荷前提ではない一般用途向けのモバイル向けのCPUとしてはメリットが大きく、実用コスパに優れます。

また、コア数が末尾U(15W~)と末尾P(28W~)で異なる点に注意です。Eコアの数は基本どちらも同じですが、Core i5およびCore i7を基準に見てみると、末尾Uでは10コア(2P + 8E)の12スレッドなのに対し、末尾PモデルはPコアの数が2コア多い合計12コア(4P+8E)16スレッドとなっているため、最大性能に差が出ます(1370Pのみ6Pコアで14コア20スレッド)。性能重視ならもちろん末尾Pモデルの方が良いですが、第13世代Coreは高負荷時の効率があまり良くないため、Pコアを増やしても電力制限のせいで思ったほどは性能が伸びなかったりもするので、性能重視でない場合には気にしなくて良いかと思います。

次に内蔵GPUです。ユニット数(EU)に違いはあるものの、全モデルでAV1デコード機能を持つXeグラフィックスが採用されている点が大きいです。Ryzen 7000で最もコスパが良くて採用数が多いと思われる「Zen 3」の30モデル(例:Ryzen 7 7730U)の内蔵GPU「Vega」にはAV1対応がないので、Coreの方が優位です。ただし、Zen 3+モデルではAV1対応があり、性能でも負けるので、必ず優位という訳ではない点には注意です。とはいえ、重いグラフィック性能を重視しない場合に、初心者の人が手を出すなら失敗の可能性が低いという点でCoreの方がおすすめかなと思います。

電力面については、高負荷時の効率についてはRyzenに劣る傾向があるため、重い処理を頻繁に行う予定がある場合にはRyzenの方が適しています。ただし、前世代と比べると若干改善しており、元々良かったけど向上が無かったRyzenとの差は少し縮まった印象です。バッテリー容量やその他の面次第ではCoreの方が良いケースもあり得るので、機種ごとに確認することをおすすめします。